年に一度はフィガロの結婚をみてる
ここ数年毎年一度はフィガロの結婚を見ている気がします。
日本では人気なのかよく上演されてますね。
- 演目:フィガロの結婚(モーツァルト)
- 主催:藤原歌劇団
- 場所:テアトロ・ジーリオ・ショウワ(新百合ケ丘)
- 2021年1月8日
2日間の公演でしたが、私が見たのは初日の方。
今回の公演では検温、消毒、入場者カードの記入のほか座席は前2列は空けて、座席も一つおきでした。
冬場でコートを預けられないので、隣の席が空いているのはちょっと助かりました。
あと歌手の人たちは透明のシールドを顔につけて歌っていました。あまり目立たないけど、メガネをかけているようにも見えるかも。
声はちゃんと聞こえてましたね。いろいろ対策大変そう。でも生の公演がやっぱり好きなので、開催してくれるのは嬉しい!
演出など
昨年和風のフィガロの結婚(フィガ郎)を見た後だったので、今回はどんなフィガロかなと思いましたが、イタリア語による一般的なフィガロだったかなと思います。
衣装もこの時代のオペラによくある感じで、全体にオフホワイトのイメージ。
セットは図面のような張りぼてのような壁とベッドがあるくらいの簡素な感じです。壁の色や衣装の色はなんとなく時代と感じて合っている感じでした。
フィガロの結婚は何かと隠れたり探したりするシーンが多いと思うんですけどそれは上から降りてきた板が大きな役目で、後はケルビーノが隠れる籠など。
フィガロの結婚って意外に長いんですけど、今回は3−4幕を続けての上演。それでも終わったら4時間弱はかかっていました。
バレエはさすがにないだろうなあと思っていたけどやっぱりなくて、3幕では歌手の人たちが簡単に踊っていましたね。
よくわからないけどオペラって会場によって少しはマイクを使ったりしてるのかな。バルバリーナが歌った時にあれ?ってマイク音が強かった気がしたんですよね、あれはなんだったのかなあ。
それともビンビン響く声の人なのか‥。
音楽と歌手について
今回のフィガロの結婚を一言で言うなら女性がすごく頑張って見えました。
もちろん男性も良かったんですけどなんかそう思ったんですよね。
特に目立ったのが伯爵夫人の西本真子さんとスザンナ役の中井奈穂さん。
実は最初にスザンナが出てきた時はあれ?元気ないのかな、緊張してるのかなと思うくらい控えめに見えちゃいました。
婚礼の日だからもっと元気良くてもいいのにと。
でも話が進むにつれて、演技も歌も生き生きとしてきて、4幕のアリアなんかは澄んだ声がとても美しかったです。
そして今回伯爵夫人を演じたのは西本真子さん。
実は西本さんは数年前に「ナヴァラの娘」でアニタを演じた時の印象が私の中ではすごく残っていて、今回フィガロの結婚を見たいと思った理由の一つは西本さんの歌を聞きたかったからなんですよね。
アニタはボロボロの服を着た情熱的な役だったんですけど、今回は真逆の伯爵夫人という役。
西本さんという方は歌はやはり情熱的なんですけど、それだけじゃなく舞台に立つと不思議に目立つし存在感がある人だなと思います。今回は水色の服もとてもよく似合っていました。
2幕最初のアリアでちょっとだけ、あ、大丈夫かな?って思う感じもあったんですけど、それが見ている方もいい緊張感になってまた不思議に引き込まれてもっと聞きたいと思ってしまう、そんな魅力を持った人だなあと思います。
そしてフィガロを歌ったのは谷友博さん。この方の声もすごくよくてもっと誠実でまじめな役なんかもいけるんだろうなと勝手に思ってました。
そしてアルマヴィーア伯爵は須藤慎吾さんでさすがの安定度。
ケルビーノを捕まえようとする時の伯爵の武器がカナヅチというのはちょっとおもしろかった。
ケルビーノを歌ったのは向野由美子さんという方。ケルビーノって男性の役を女性がやって、さらに劇の中で女装するので、このオペラの中でも目立つキャラクターだと思うんですよね。
アリアもいいし。
公演によって宝塚の男役っぽくなる人とそうでない人がいると思うんですけど
今回のケルビーノは声がやわらかいせいなのか見た目のせいなのか、
男性の服を着ていてもおしとやかな女性に見えてしまう方だったので、女装するとそっちの方が合いすぎちゃって、他の女性と区別がつきにくくなった気はしました。
シンデレラみたいなきれいな人の役がもっと合うのかなとちょっと思って見てました。
オーケストラの事は毎度よくわからないのですが、ちょいちょいこれって歌と合ってるのかなあと感じる事があったのはなんでだろ?とちょっと感じました。
あと藤原歌劇団っていつも合唱がうまいなあと思うんですけど、今回も第一幕最後の合唱とかよかったですねえ。
女はみんなこうしたもののセリフの後のみんなで歌うところも今回初めて良さがわかった気がしました。
毎回そういう発見があります。
そうそう音楽教師のバジリオさんも良く声が通るしなんか楽しいキャラでしたよね。
それにしてもフィガロの結婚って日本ではすごく人気があるみたいでよく上演されてるんですけど、いつも若干不思議に思ってしまいます。
確かにモーツァルトは有名で誰でも知ってるし、有名なアリアもあるけど、初めてみるとしたら思ったより時間が長いし、何よりストーリーがわかりにくいんですよね。
一度知り合いを連れて行った時も「話はわけがわかんなかった」って。だよねーと。
二日前に見に行ったサムソンとデリラなんかは日本ではぜんぜん有名じゃないけど、音楽は聞きやすいしバッカナールがあるし、ストーリーがわかりやすくて、そっちも連れて行ってあげたかったなんて思っちゃいました。
以前に音楽家の人が「やっぱりモーツァルトはすごいんだよ」とおっしゃっていたので、多分そういう事なのかなとも思います。
なにはともあれまだ今年ははじまったばかり。新型コロナとかいろいろ大変ですけど、それでも生のオペラをたくさんみたいです。
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