「トスカ」藤原歌劇団・友達を連れて行きたい第一位のオペラ

藤原歌劇団のトスカ

プッチーニのトスカを見てきました。

藤原歌劇団の公演です。

  • 2023年1月29日
  • 場所:東京文化会館
  • 主催:藤原歌劇団

今回は2回の公演でWキャストでした。私が見に行ったのは1/29日の方です。

2回の公演で主要キャストが全員違う時にどちらの日程を選ぶかっていう決め方は人それぞれだと思いますが

私の場合はまずは単純に自分の都合が良い日を選びます。

どちらも行ける場合は、どうしてもこの人の声を聞きたいということもたまにありますが、どちらかというとそれよりも聞いたことが無い人を聞きたいという方かもしれないです。

今回もそんな感じで選びました。

今回の感想を一言でいうなら、トスカのように脅しとか殺すとか殺されるという激しい内容のオペラは、プッチーニの音楽に実に合うなあということ、

それにオペラにしては時間も短くてあっという間に終わるのは良いのだけれどせっかくのアリアはもう少し長く聞きたい気もする…

そんな私の感想でした。

演出など

幕が上がると見えてきたのは上品な雰囲気の立派なセット。

なんとなくトスカっぽくていい感じです。

斜めに並べられた神殿風の柱が何本も立ち厳かな雰囲気で、前の方には椅子がきちんと並べられて教会とわかる舞台。

第二幕もセットは少なめながらやはり上品な空間でスカルピアが食事をしているテーブルにはカバーが2重にかけられていてこちらも斜め掛け。

その掛け方とてもいいなあと個人的には気に入って見ていました。

1色より2枚を重ねることによって華やかな感じになるんですね。

第二幕のスカルピアとトスカのやりとりはやはり一番の盛り上がりどころ。

いつみても引き込まれるしすごくおもしろいです。

そして演出でやはり気になるのは第三幕のラストトスカがどうやって死んでしまうのかというところ。

今回の飛び降り方は真後ろに直立のまま倒れていって、これが悲愴感が出てよかったのですが

あの落ち方をして大丈夫なのかなと思ってしまいました。

ちゃんとカーテンコールで出てきていたので大丈夫だったみたいですけど…(笑)

また第三幕の夜空の星がキラキラとしてとてもきれいでした。

星の色が微妙に違っていて、色も一色ではなくこれが何気にすごいなと思って見ていました。

これも演出の効果ですよね。

星は光りぬ」に合わせてのこだわりなのかも。

細かいところでは第二幕でカヴァラドッシが拷問にあった後服に血がついていましたが、第三幕ではその血が増えていて「うわあ、出血が増えたっていうこと?」と…

これも演出のこだわりだとしたら細かくてすごい…

音楽について

今回の指揮は鈴木恵里奈さん。最近よくお見かけする気がします。

音楽が始まって「トスカって序曲あるんだっけ?無いんだっけ?そもそも序曲っていうんだっけ」などと考えているうちに、すぐに幕が開いて歌がはじまったので、

「そっか、プッチーニは序曲って無いんだっけ」と思ったのでした。

オペラの最初っていつもこんな感じで考えてます(笑)

有名なアリアが二つある「トスカ」ですが、個人的には第一幕最後の「テ・デウム」が大好き!

カヴァレリア・ルスチカーナの教会のお祈りの合唱のシーンも大好き

なのですが、トスカのテ・デウムのシーンも圧巻でいいですよねえ。

このシーンになると「来たー!」って感じで内心ワクワクしてます(笑)

でもこのシーンも割と短くてあっという間に終わってしまうんですよね、悲しい…

ちなみに合唱の人は人数が多いからかマスク着用でした、ただベージュ色のマスクだったのであまり違和感はなかったです。

第三幕冒頭の音楽も間奏曲というほどの長さは無いけれど美しい音楽。

それにしてもプッチーニのオペラは全部短めなのねと思ったのでした。だからこそ2時間程度で終わってくれるのですが…。

カヴァラドッシが最後の手紙を書く時のバイオリン?ヴィオラ?の弦の調べもとても物悲しくてよかった~。

それにしても先日みたロッシーニのオテロとは同じイタリア物で悲劇なのに時代が少し違うと歌い方が全くといって良いほどの別物。

ほんとに違う…と改めて感じたのでした。

歌手について

それでは歌手の方について。

今回タイトルのトスカを歌ったのは佐田山千恵さん。

美しい声で悲惨な運命を演じてラストまで感動的。

覚えやすい顔立ちの人で独特の雰囲気をもっている人です。

オペラって美しいだけじゃなくて印象に残るっていうのも大切じゃないかなって思います。

この方の高音はちょっとだけ金属的な感じがするので、それがトスカの嫉妬深さやきつい性格に合っていると思いました。

第二幕の盛り上がりのところはもっと爆発する情熱が欲しいかなとも感じましたけどそれはひとつには小柄な方だったのでそう感じてしまったのかもしれないです。

弱音がオーケストラにかき消されてる感があったのがちょっともったいない感じはしました。(プッチーニだからしかたないのかも)

第三幕の「ナイフを突き立てたの!」の声はよかった。

そしてカヴァラドッシを歌ったのは藤田卓也さん。

何年か前にナヴァラの娘とパリアッチ二本立ての公演の時にパリアッチで拝見したかと思います。

あの時もいい人そうな顔立ちと思ったものの、歌はそれほど印象的ではなかった気がするのですが、

今回については個人的に一番良かったかもと思うのがこの藤田卓也さん。

(そういえばパリアッチの時も悪役は須藤慎吾さん…)

甘い声と声量の大小(緩急もかな?)がはっきりしてるからか歌と演技に引き付けられるて見た目もぴったり。

テノールだけど低い声も魅力的でした。

勝利だ!」と叫ぶところは圧巻。

そして「もっともっと良い声が出せそう」となぜか応援したくなる雰囲気を持っている歌手さんだなと思います。

こういうのって言葉ではうまく言えませんが一つのオーラなのかもしれないって思います。(全く個人的な感想ですけど…笑)

それにしても「星はひかりぬ」も短い…。もっと聞きたいと思うのですけど、オペラ全体の流れを壊さない長さっていうことなのかも…。

そしてスカルピアを歌ったのは須藤慎吾さん。

こわもての顔といでたちが悪そうでいかにもぴったり。

だけど声だけを聞くとあたたかみのある素晴らしい声。

プルプルしながらイライラしている様子を表したりと演技も抜群でさすがです。

第一幕の「行け!トスカ」はなんとも不気味でよかった(笑)

その他アンジェロッティを歌ったのは東原卓彦さん。

出番はそれほど多くないのですが、一番最初にこの人の声からはじまるので、そのインパクトは抜群でした。

この人の声はまた聞いてみたいなあと思いました。

トスカはオペラに興味が無い人でもきっと楽しめる気がするので、私の中では誰かをつれていきたいオペラ第一位かもしれないです。

トスカも何度でも見たいオペラですね。

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