トスカ公演日時と場所
新国立劇場のトスカを見に行ってきました。
- 日時:2021年1月25日14:00開演
- 場所:新国立劇場オペラパレス
入場者カードの記入、マスク着用、検温の他、今回もコートを入れる袋を用意してくれていました。
これまで飲み物だけはロビーで販売してくれていましたが緊急事態宣言中だからかそれもなし。
ロビーで物を食べるのもダメということで、厳しくなるばかり‥。仕方ないか。
飲み物は持参していいようだけど飲むのは最小限にしてくださいとのアナウンス。
最小限って‥長時間座るからお水は我慢しないほうがいい気がするけど。まいっか。
会場は思ったよりは人がいるかなという感じ。さすがに高齢者はいつもより少なめな気がしましたけどその分若い人が来ていたような気がします。
トスカは実は生で見るのははじめてです。今回は行くのを迷っていたのですが、やっぱり行こうって思ったのは、トスカは意外に時間が短いから。
正味2時間なんですよね。
内容も劇的だし。終わってみるとやっぱりあっという間でした。
でも休憩はしっかり25分ずつ。
お水も飲んじゃいけないし、食べ物も食べちゃいけないなら、休憩時間は25分もいらないのになあ、なんて思ったんですけど、舞台を見ると「あ!これは休憩が長めじゃないと無理かも‥」と思ってしまった。
それくらい豪華な舞台!。
今回のトスカを一言で言うなら、久しぶりにこんな豪華な舞台を見ました。ありがとう!っていう感じです。
特に1幕終わりのテ・デウムは圧巻でした。
トスカ演出など感想
久しぶりにこんな豪華な舞台セットをみました。
バブルが戻ってきたかと思ったくらい(笑)。
今回のトスカは新演出ではないみたいなので、以前にも使っているっていうことですよね。私ははじめて見たので感激ものでした。豪華豪華!
重厚っていうのかな。グランドオペラのよう。
やっぱり豪華な舞台はいいですよね。
1幕は本当の教会みたい。
区切られた懺悔室とか凝った壁とか、絵もちゃんとあるし。
さらに1幕最後のテ・デウムがまたすごくて。舞台が横にザザーッと動いて立派な祭壇が現れて「オオー!」っと思った(笑)
よくトスカはテ・デウムも見どころって言われるけど今までピンときていなかったのは、豪華な舞台を見ていなかったからなのかも。
それくらいこのシーンが圧巻で、もっと長ければいいのに〜と思って聞いてました。
続く2幕のスカルピアの部屋もまたまた豪華。燭台にはちゃんと本物のろうそくが‥。壁のギリシャ彫刻とか暖炉とか、一体どうやって作ったの?と思う重厚さです。
3幕の石段も又豪華なセットでしたけど、今度は上下にザザーッと動く仕掛け。左右にうごいたり、上下に上がったり下がったり目にも楽しい舞台はこれぞオペラ!っていう感じでした。
トスカが飛び降りる所の巨大な像とかは無くても済みそうなのにシンボルみたいにそびえてるし、凝ってますよね。ホント。
この舞台は永久使用でいてほしいなあなんて思ったくたい。何度も見たい。やっぱり豪華は嬉しいものです。
トスカって3人とも死んじゃう残酷なお話だけど、拷問のシーンは見えないし、トスカがスカルピアを刺すシーンも銃殺のシーンもあまり血生臭くなくて(血もあまり出なかったし)そこは品良くまとめた感がありました。
あと衣装も王道っていう感じで、トスカの青と赤の衣装はとても美しくて、スカルピアもイメージのまんま。
唯一カヴァラドッシだけは画家には見えないなあ‥って思ったけど‥。
カヴァラドッシが銃殺されるシーンは本当に火花が散って臨場感たっぷり、ドキッとする演出でした。
トスカ音楽など感想
前回見たオペラがテアトロ・ジーリオのフィガロの結婚だったからか
最初に思ったのはオーケストラが多い!っていうこと。
そして音楽が始まるとさらに「やっぱり音も重厚だわー」まあ時代が違うから当たり前というか、それはどっちもいいんですけど。
今回ハープが真ん中に置いてあったけど、あれはトスカの「歌に生き恋に生き」で目立つからなのかなと。
トスカは全体には合唱が少ないけどその分1幕最後のところはやっぱりいいですよねー。今回テ・デウムのシーンが大好きになりました。
プッチーニって劇的な音楽としっとり音楽とがある気がするんですけど、
三部作でいうと外套のような怖いものと修道女アンジェリーナのようなしっとり系の両極端があるけど、どちらかというと個人的にはしっとり系が好きかも。
今回も第3幕冒頭の羊飼いのうたやそのあとのしっとり音楽にも、うーんいいなあとうっとりしました。
いずれにしてもプッチーニってやっぱり音楽がいいよねと再認識、当たり前か、いまさらでした(笑)
第3幕冒頭の音、あれはホルンだったのかな。すごくきれいなはっきりした音だったので、あれはホルン?とちょっと思ったのですが、それはプロに失礼かな‥(すみません笑)。
カヴァラドッシが牢屋で文を託すときの弦楽器の重奏もきれいだなあと思って聞いてました。
歌手について感想
新国立劇場は舞台も歌もいつもさすがの高水準!と思うのですが、今回もそんな感じでした。
中でもよかったのはやっぱりカヴァラドッシ役のフランチェスコ・メーリかな。
服装に若干違和感があったけど、雰囲気とか声がホセ・カレーラスを思わせる人で、すでにかなり人気がある人らしいけどなるほどと。切ない雰囲気がぴったり。
今日はまだ二日目、あと3回もあるのかあ、大変、となぜか思ってしまいました。
気の強いトスカにはこういうタイプが合いそう、とも。
有名な「星も光りぬ」ももちろんいいけど、今回は冒頭1幕でカヴァラドッシが歌うところもすごくよかったのねと発見。
そしてタイトルのトスカを歌ったのはキアーラ・イゾットンという人。この人は嫉妬深くて気が強いトスカに見た目的にはあっているかなと。
まだ若そうだけどどうなんだろう。高音がグワンと大きく出るタイプの人でした。なのでナイフで刺したあとの叫びとかは迫力満点。
1幕の青い衣装と2幕の深紅の衣装がとても印象的。
恋に生き‥のアリアの時は終始座っての歌。あれ?立たないのかなあ、と思っているうちに終わってしまった。なんかあの座り方だと小さく見えてしまって‥
まあ堂々と歌う内容ではないのだけど、個人的には途中からでもいいから立って歌って欲しかったなあとちょっと思いました。
それにしてもトスカの嫉妬深さはちょっと病的?。嫉妬による勘違いからこの悲劇は始まってるし。最後は追い詰められて自分でつぐなうと言って飛び降りるけど、なんだかなあと正直思ってしまった。
主要な3人の最後、スカルピアを歌ったのはダリオ・ソラーリという人。
服装、髪型、声などスカルピアの雰囲気にぴったり!って最初は思ったけど歌っているうちにいい人に見えてくる人。いい人役が合っているのかも。
嫉妬心が強いトスカもどうかと思うけど、憎まれると燃える、胸をくすぐられる気がすると言うスカルピアは間違いなくサイコパスですよね(笑)
そして2幕のスカルピアとトスカの掛け合いのシーンの音楽と歌、それぞれは短いんだけどここもすごくいいなあと、それも今回の発見。プッチーニすごい!。
最後に本当に銃殺されてしまうシーンの音楽は、明るいようなそうでないようななんとも不気味な音楽が聞こえつつの銃殺。ここの音楽って不思議だなって感じました。実際トスカは殺されるとは思っていないんですもんね。
あと最初に出てきた教会の堂守役だったかの志村文彦さんっていう方の声もとても素晴らしかったので、印象的でした。
休憩を入れて3時間のオペラはあっという間でした。トスカはやっぱり人気があるはずですね。トスカならオペラが初めての人でも楽しめそう。
とにもかくにも今回はやっぱり舞台のセットに目が釘付けだったかな。オペラの王道っていう感じで楽しかったですね。
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