あまり上演されないオペラが見られた
今回はプッチーニのエドガールというオペラを見てきました。
初めて生でみるオペラです!
生のオペラが好きで色々通っているうちに、日本では初めてみるオペラって少なくなっていました。
海外に行くと珍しい演目をやっていたりするんですけど、いけないですし‥。
そんな中で今回エドガールが上演されるということですごく楽しみにしていました。
えーー!エドガールやるんだ!!やったあ。
っていう感じです(笑)。
場所は渋谷のオーチャードホールです。渋谷はあまり行きませんが今日もすごい人‥。行くたびに新しい建物が増えている気がします‥。
エドガールって一言で言うと台本がいまいち、だけど音楽がぴかいち。そんな印象です。
このことを知らずにみるとストーリーがとっぴで頭の中にハテナ?マークがたくさん出てきて音楽に集中できない気がします
でもあらかじめお話のとっぴさは気にしないことにしようって決めてしまうと、素直な気持ちで見られる気がします。
パンフレットでもこのことについては触れていて、演奏会形式(コンチェルタンテっていうんですね)が適切と書いてあって、そうだよねえーって思ってしまいました。
お話に期待しないでみると、逆にお話すらまあまあよく見えてくるもので、
特に今回タイトルのエドガール役樋口達哉さんが迫真の演技も入れてくれたので、あれ?意外に話もそんなに変じゃないかな?なんて思えてきて結果としてすごくよかったと思います。
と言うわけで今回のエドガールは演奏会形式でしたが、珍しいオペラを見られたことが何より嬉しいし、ただ立って歌うわけではなく映像もあり、演技もありでとても満足でした。
演出と音楽など
今回は3幕版のエドガールでした。休憩を入れても2時間という気軽な長さです。全部で2時間って楽ですねえ。
4幕版はエドガールが戻ってきてフィデーリアと仲睦まじい様子がもっとあると思うんですけど、あそこはちょっと退屈だなあと思っていたので、個人的にも3幕版でよかったって思ってました。
プッチーニって割と短めのオペラが多いですよね。それでいて話も音楽もおもしろいからとても見やすいっていつも思います。
やっぱり長いとちょっと気合いと体力が必要というか‥。
演奏会形式と言っても舞台後方には薄幕があって情景が浮かび上がっていました。これがあるのとないのではずいぶんイメージが違う気がします。
合唱はこの薄膜の後ろで歌っていましたが、移動するのも見えないし、高いところからなので声はよく通るしいいですよね。
舞台前方にもいくつかの台があって、3幕では棺まであってちょっとした簡単な舞台のようでした。サントリーホールでやるホールオペラはこんな感じでやっていた気がします。
衣装も幕ごとに変えてくれたり、エドガールも左胸につける飾りが変化したりしてました。
このオペラには聞きたい曲がたくさんあったんですけど、1幕はやっぱり好きな曲が多かったです。
2幕の軍隊のところの曲、それに3幕に行く前の間奏曲などもう一度聴きたいフレーズがたくさんでした。
プッチーニってクライマックス?っていう盛り上がりの場所が多いので、その度に自然に拍手がでちゃいますよね。
オペラってここで拍手かな?違うのかな?って迷う場合もあると思うんですけど、自然に拍手が出ちゃうのがプッチーニかな。
歌手について
今回ダントツに良かったのはやっぱりタイトルのエドガールを歌った樋口達哉さんではないかと思います。
樋口さんってすごく有名でたくさんのオペラに出てるんですけど、実はそれほど見ていなくて、最近だとジャミレだったかと。この時は場所のせいか歌手の人たちの声があまり響いて来なくてちょっと残念だったのを覚えています。
今回は声もよく通って迫真の演技が何より素晴らしかったです。多くのオペラに引っ張りだこなわけなんだなあと。
演奏会形式でこんなに気持ちを入れて演技をして歌ってくれるんだと。
50歳を過ぎているとのことですが若い!見えない。
2幕冒頭のアリアはとりわけ情熱的でした。
そして悪女ティグラーナを歌ったのがメゾソプラノの成田伊美さん。後で気づいたんですけど2021年日生劇場のこうもりでオルロフスキーを歌っていた方でした。まさかの‥全然わからなかった‥。
日生の時のオルロフスキーは挙動不審なところが個人的にすごくおかしくて、初めて見るタイプのオルロフスキーをすっかり気に入っちゃったんですよね。まさかあの時の人が今回悪女を演じていたとは。
とはいえ、悪女というよりどっちかというとフィデーリアの方が向いてそうな見た目。どうしても悪女には見えないなあと思いつつでした。
声は迫力もあって若干高音で上ずる感じが逆に声量に余裕があるように思えて、まだまだこれから更に声が出ちゃいそうって思う人でした。楽しみ楽しみ。
そしてフィデーリアを歌ったのは大山亜紀子さんという人。
この方の声を聞くのは初めてなんですけどビブラート強めの声でちょっとメゾっぽい感じ。
低音がよく出ていてすごい。
そしてフランクを歌ったのは杉浦隆大さんというバリトン。
同じく2021年日生劇場のこうもりで刑務所長のフランク(同じくフランクでした笑)を歌っていた方。
こうもりの時はずいぶん若いフランクだなあと思いましたが、今日もふくよかな声がよく響いていました。
グアルティエーロを歌ったのは清水宏樹さんという方。
この人は2018年の魔弾の射手のときにガスパールだった人でした。気づかなかったけどそういえばこんな感じだったなと。
ずっと見たかった魔弾の射手を見られたあの時の興奮は今も思い出します。また見たいなあ!
と言うわけで初めての演目「エドガール」を見ることができて今日も幸せなひとときでした。
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