チェネレントラ新国立劇場2021年10月

  • 2021年10月
  • 新国立劇場 オペラパレス
  • チェネレントラ(ロッシーニ作曲)

を見てきました。

 

演出など

緊急事態宣言がようやくあけた中での上演なので、少し状況が戻っているのかなと思いましたが

依然として来場者カードの記入からはじまりロビーで飲食や不要なおしゃべりも禁止、テーブルは無く椅子は一方向を向いている状態はかわりなく…。さらにレストランマエストロも休業中。

まだ予断を許さない時期と言えばそうなので、仕方ないです。

会場での楽しさとか、喫茶とかおしゃべりとか諸々含めてオペラって楽しいと思うので、早くそんな公演になればと思うのでした。

さて会場はおとぎ話のお話という割には男性が多めかなという印象。

チェネレントラは有名なオペラな方だとは思うのですが、それほど上演されるイメージはなく、私の中ではちょっと珍しいという印象のオペラです。

生で見るのは初めて。しかも新演出ということらしいです。

セットも衣装も全体に明るい色使いなのではおとぎ話の雰囲気がでてました。

最初に舞台の上部に四角い枠に文字が現れたので、今日はあそこに字幕がでる?と思ったらそうではなく、最初だけでした。

カメラで撮影している人たちがいました。

全部現代解釈なのかなと思いましたけど、私にはちょっとよくわからなかったです。

薄い幕が開くと5の数字が出てきてました。

序曲が意外長いので舞台で何かやってくれてる方が私なんかは嬉しかったので飽きないための演出ということもあったのかなと勝手な解釈。

目を引く明るい衣装はなんとなく楽しい雰囲気で好きですが、アリドーロがカッコ良すぎて物乞いに見えなかったかも(笑)。

姉二人は衣装に加えてメイクも独特だったのかクロリンダが高橋薫子さんだとは最初分からずえ?ほんとに!と目を凝らしてみちゃいました。

舞台によって雰囲気が変わるものですねえ。すごいです。

今回のチェネレントラの舞台は映像を駆使するわけではなく、カラフルな扉や椅子階段などがポツンポツンと舞台に置かれているというイメージ。

なので舞台全体のイメージとか流れを感じるというより、持ってきて置きました!っていうブツ切れ感を感じてしまったのだけどどうなんだろ‥。まあおとぎ話だからそれがいいのかな。

おもしろかったのは合唱の衣装で、男性が大勢チュチュを着たり(一瞬女性だと思いました)、コントラストがはっきりしていて目をひきましたね。

歌手について

今回の公演を一言でいうならアンジェリーナ役の脇園彩さんの圧倒的な歌唱力が印象的な公演でした。

最後の有名なアリアはもちろん1幕最初のアリアから別格の素晴らしさでしたパチパチ!。

世界トップレベルの歌唱力という表現がピッタリ!。

メゾ?ソプラノ?どっちだっけとまず思うほどメゾなのに高音の響きがそれは魅力的。

2年前のドン・ジョヴァンニでドンナ・エルヴィラ役で出ていた時も印象的でしたけど今回は主役とあってさらに凄さを実感。高音の魅力はさらに増していた気がするし、技術も凄すぎる。

久しぶりにきいてロッシーニのアリアって本当に難しそうと思いました。

内容は軽いのに歌が難しすぎる。オペラの場合は突っ立って歌うわけじゃないから歌だけに集中しちゃダメなわけだし、ほんと見た目よりずっと大変なんじゃないかっていう気がしました。

ドン・ラミーロ役を歌ったのはルネ・バルベラという人。

最近は新型コロナの影響で海外の歌手は来るのかな、それとも代役かなとまず思ってしまうようになりましたが、今回は全員元々の人。良かった良かった。

この人は王子と言うより他の役で見たいなという気がした人でした。

ダンディーニを歌ったのは上江隼人さん。最近だと昨年リゴレットでタイトルを歌っていたのを聞きました。

チェネレントラのような入れ替わるお話では毎度これ誰だっけ?どっちだっけ?っていう短い確認作業が自分の中であるんですけどそれは今回も同じ。

ただ、ラミーロが海外の人で、ダンディー二が日本の人だったので、わかりやすかった気がしました。

父親役のドン・マニフィコを歌ったのはアレッサンドロ・コルベッリという人。

日本のシンデレラのお話と違ってチェネレントラには意地悪な継母は登場しないけど、優しい父じゃなく頼りにならない父親がいるんですよね。

演技で小者感が出ていて良かったかなと思います。

アリドーロ役はガブリエーレ・サゴーナという人。この役はシンデレラでいえば魔法使いのおばあさんに当たるかなと思うのですが、最初から威厳ありありでそれはそれでおもしろかったかも。

姉のクロリンダ役は高橋薫子さん。高橋さんは清純な役のイメージを持っていたのですが、今回のような役もきっちりと。さすがです。それにしても顔がわからなかったなあ‥。

ティーズべ役は齊藤純子さん。2019年のフィレンツェの悲劇でシモーネ役を歌っていたと思います。

シモーネとはガラッと違う役柄ですが、こう言う役もできちゃうんですね。

チェネレントラって生でみるのは今回が初めてて、映像で見た印象はちょっと退屈っていう感じだったんですよね。

一応有名なアリアはあるけど誰でも知っているというアリアではないし‥。

生でみるとどうなのかなと思ってましたけど、うーん個人的にはちょっと長いなあってやっぱり思っちゃいました。

セビリアの理髪師みたいに楽しいのかなと思ってみると、意外にそうでもないというか。

今は新型コロナの影響で「ただ観るだけ」のオペラになっているので余計そう感じちゃったのかなとも思いました。

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