沖縄の言葉が満載のオペラ
見たことがないオペラを見てきました。
- キジムナー時を翔ける
- 場所:新宿文化センター
- 2021年2月20日
作曲は中村透さんと言う方。今回は追悼公演なのだそうです。
有名な人なのかもしれませんが、私は知らなくて‥。
今回このオペラを見ることにしたのは、見たことがないオペラを見たかったということと、日本のオペラは珍しいので見てみたいということで行くことにしたのでした。
紫苑物語を見た時に思ったより日本のオペラが重厚だったのが意外で、今度はいったいどんなオペラかなと言う気持ちもありました。
見終わって一言で言うと、環境の問題とかリゾート開発、自然を大事にというあたりはちょっと文科省おすすめと言う感もあり、子供向けのオペラにしてもいいような内容なのかなと。
紫苑物語とは全く別物のオペラでした。
どちらかというと「森は生きている」を思い出したかも。
タイムスリップという一見ワクワクする内容ですが、全体には穏やかな雰囲気のオペラ。
また、日本のオペラなのですが、沖縄の言葉は全く違うので外国のオペラのようにも感じられました。
沖縄出身の歌手
字幕をつけてはくれたけど、なければほんとにわからない世界。
今回はカルカリナ役の砂川涼子さんはじめ沖縄出身の歌手の人が多いようですが、
これだけ沖縄言葉のセリフが多いとやっぱり沖縄出身の人がいいよねと。
あと沖縄の踊りも上手だし。
字幕については若干字が小さめ。あと自体が見慣れない感じがしたのは、なんでだったのか‥。まあそんなのどうでもいいといえばいいのですが。
今回の舞台は新型コロナ対策でフェイスシールドをつけての上演でした。
まあ緊急事態宣言中ですからしかたないですよね。
あとよく見たら舞台の前には薄い幕もありました。これも飛沫防止なのかも。
座席も一つおきだし検温や入場者カードはもう当たり前になった感がありますが、早く元に戻ってもらいたいです。楽しいはずのオペラがなんとなく物々しいので‥。
舞台と歌手について
舞台には大きな木と沖縄らしい家。それに赤い月も印象的でした。
今回の公演は新宿文化センターで、ここに行くのは何年ぶりかな?。
文化センターは古くからあって変わらないのですが周辺がすっかり変わっていてびっくり。あと新宿文化センターにオーケストラピットがあったのを知らなくて、ちゃんとあったのねとそれもちょっと驚きでした。
東新宿という駅は昔はなかったので、駅から少し遠いイメージだったのですが、今は駅からも近いし実は便利なホールなのでした。ただしさすがに建物はレトロ感が‥。
さて、今回の歌手の人たちですが、まず妖精カルカリナを歌ったのは砂川涼子さん。
かわいらしい衣装と仕草が妖精役にぴったりでしたが、メガネもかけているので、ほぼ顔が見えず、それがちょっと残念。(砂川ファンなら顔はやっぱり見たいんじゃないのかな)
沖縄の人らしく、踊りがしなやかでとても自然。それがとても印象的で踊りに注目しちゃいました。
今回一番個人的にいいなと思ったのは、フミオ役の芝野遥香さんという方。
カルカリナと一緒に300年前にタイムスリップする役なのですが、ツヤツヤした伸びやかでよく響く声がとても素晴らしかったです。
まだまだ知らない良い声の人がたくさんいるのねと思ったのでした。
フミオと同じく300年前にタイムスリップするマサキを演じたのは海道弘昭さん。
今回のオペラでちょっと感じたのは、全体に沖縄っぽい衣装ではあるのだと思いますが、若い役と年寄りの役がよくわからなかったこと。
おばあはわかりやすかったけど‥。
マサキは若者の役だと思いますが、なんとなく衣装が他のおじさんたちと変わらない感じだからか、最初のうち誰が誰かいまいちわかりにくく、誰が若い役で誰が区長?っていうのがみんな同じに見えちゃいました。
私が見たのは20日でしたが、別日のカルカリナは男性が演じたみたいですね。
あの役を男性が?っていうのはちょっとおもしろい。両方とも見たかった気もします。
最後の方の「風を見よ、水に聞け、土に歌え‥」の歌はオペラなんだなと改めてわかる部分で、これが言いたかったのかなとそんなことを感じました。
タイムスリップするというあたりから、どうなっちゃうんだろう、とちょっとワクワクしたものの割とすんなり現代に戻ってくるので、ちょっとあれ?っと思ってしまったけど、
考えてみたら映画じゃないし、ドラマを見ているのでもないし、過激な展開を求めすぎたのかも。
会場からも少し手拍子が出ていましたけど、このオペラを沖縄で上演したらまたお客様の反応が違うのかなとちょっと思いました。みんな踊り出しちゃったりして‥。それも楽しいけど(笑)
オペラを見る限りこの作品を作った中村透さんという方は穏やかな人だったのかなとそんな気がしました。
オペラってほんとにいろいろあります。また一つ勉強になりました。
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