昨日のパルジファルに続き今日もオペラ鑑賞です!
お尻は痛くなりそうだけど(笑)二日も続けてオペラが見られるのは嬉しい!
しかも演目がメノッティのオペラ。
メノッティの生舞台ははじめてです。ずっと見たかったんですよねー。
昨年だったかな、アマールと夜の訪問者を見ることができなくてものすごく残念な思いをしていたのです。
なので今回はじめてメノッティのオペラが見られることがとても楽しみでした。
しかもメノッティの中で一番良いと言われる「領事」なんですよね。
メノッテイの「オペラは台本」
日時:2022年7月18日
作品:領事
作曲と台本:メノッティ
場所:新国立劇場 中劇場
主催:新国立劇場オペラ研修所
今回の「領事」は17日、18日の二日間の公演でしたが私が行ったのは18日の方です。
チケットは安いし中劇場だからオーケストラがないのは仕方ないです。
それでもピアノが2台あってピアノだけでもかなりの迫力でした。
今回の「領事」というオペラは見たことがありません。
どうしても見たかったのはメノッティのオペラを生でみてみたかったから。
「アマールの夜の訪問者」を見た時も「霊媒」を見た時も感じたのはメノッティの不思議な音楽。
私なりの素人言葉でいうと「美しいかと思うと妙な感じに変化する」そんなイメージです。
そしてまた聴きたくなるし、なぜか惹きつけられる音楽。癖になると言うか。
刻むような旋律が処処にあってそれも独特。
今回の領事でもやはり似たような印象がありました。
さて今回もらったパンフレットを読むと、メノッティは「オペラは台本だ」と言っていたと。
これ個人的にはかなりショッキングな言葉でした。
「え‥それって言っちゃってていいの?」という驚き。
この言葉ってオペラの作曲家以外には絶対に言うことができない言葉じゃないかと。
だってオペラは台本だ!なんて普通の人が言ったら「作曲できないやつが言うな」ってなるし、偉大な作曲家たちへの冒涜になりかねない‥。
だけど有名なオペラとかずっと残ってるオペラって決まって台本がちゃんとしてるんですよね。すごくよくできてる‥。
良い例がプッチーニでエドガールの音楽はなんなら他のオペラより素晴らしいと思うのにいまいち人気がないのはやっぱりトスカに比べると台本が変だし(あー言っちゃってる)‥。
西部の娘だってエドガールよりはギリギリ有名だけど、やっぱり台本が突っ走りすぎちゃってうーんって思ってしまう内容。
プッチーニは台本作家選びに苦労したんだなあって遍歴を見るとわかりますし。
台本がいまいちなのにそれを乗り越えてなお有名なのはモーツァルトの魔笛くらいじゃないかと思うほど。
ここまで言っていいのかって思いますけど、常々オペラって台本だよねえと密かに思っていたので、なんかメノッティの言葉はすごく納得しちゃいました。
そんなこんなを思いながらみた今回の領事はやはりメノッティが言うだけあってすごかった。
緊迫感が半端ないのはこれまでは音楽のなせる技なのかなと思っていたけど「台本」や「セリフ」がとっても重要だったわけですね。
「領事」はまるで映画を見ているかのようなオペラですごく引き込まれました。
とにかくおもしろかった。特に二幕の迫力、そして三幕の熱演と熱唱。よかったー。
まさにアメリカ版ヴェリズモって言われる所以がわかりました。
現代に近いオペラってすごく引き込まれる類のオペラが多い気がしますけど
少し前に見たバーバーのヴァネッサっていうオペラもそのひとつ。
で、ヴァネッサってメノッティが台本を書いてるのですよね。
そうだったのか、だから‥と結びついてそれにもなんだか納得(なんかワクワクした)。
こんなに台本がうまい作曲家ってオペラの歴史を振り返ってもそうはいないんじゃないのかな。
それにしても「領事」はこういう題材がオペラになるんですね、しかもめちゃくちゃ今も共感しちゃいます。
多分これからもきっとあるあるの内容ですよね。
ただ電話っていうものはそのうち無くなってしまいそうですが‥。
歌手について
今回正直なところを言うと、あまり歌には期待をしていなかったと言うのが本音でした。
ところがそのレベルが高いことにびっくり。すぐに新国立劇場のシーズンオペラの方に出ていいんじゃないのかなと思ってしまいました。
こんなに歌と演技が上手い人たちがたくさんいることに正直驚きです。
主人公ソレルの妻を歌ったのは大竹悠生さん。低い声も美しくてメゾなのかなと思ったらソプラノの方。
特に二幕後半のついに切れるところから第三幕にかけての熱演と熱唱はすばらしかったです。
強い思いがこちらにひしひしと伝わってきました。
そして同じくすごくよかったのが秘書役の大城みなみさん。
背が高くて個性的な容姿は今回の秘書役にまさにぴったり。
最初の冷たい表情が変わっていくのもよかった。
一度見たら忘れない舞台姿はすごく光っていました。歌もピカイチで安定度も抜群。
そして母親役が前島眞奈美さん。ふくよかなメゾで歌に関しては個人的にはこの人が一番かなって思う好きな声でした。
ただ年寄りの役だからと言うこともあると思いますが、もう少しこちらに向かって歌ってくれるともっともっとグッと伝わってくるものがあるんじゃないかなってそんなことを思いました。
それは目線なのか顔の角度なのか、それとも気持ちなのかその辺はわからないのですが‥。
そしてソレルを歌ったのは佐藤克彦さんというバリトン。体はとても細いのに声はばっちりバリトン。
数年前琵琶湖ホールで行われたヘンゼルとグレーテルの指揮者講習を見に行った時、
父親役を歌ったのが五島真澄さんという方だったのですが、この人がやはりとってもスリムなのにバリトン声が朗々と出ていてちょっとびっくりしたんですよね、その感じを思い出しながら聴いていました。
体の太さってどうなんだろ、実はそんなに関係なかったりするのかな。
そうそう異国の女性を歌った富永春菜さんの声も光っていて印象的でした。もう少し聞きたかったなと。
などなど。
研修所とあったので硬さとか緊張とか不安定な感じとかそう言うのがあるものなのかなと思っていましたが
そんな想像と180度違う素晴らしい歌唱と演技で本当に驚きました。すごいです。
また今回の領事を見て、現代物のオペラってこんなにおもしろいのねと思いました。
まだまだオペラの魅力は尽きないと楽しくなりました。
また珍しい演目に期待したいです!
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