今日は久しぶりにオペラを通して見ることができました。
新型コロナ以来ずっとオペラ公演がなかったので、本当に久しぶり!。
とはいえ指揮者セミナーを見に行ったので、ヘンゼルとグレーテルは少し前にみましたけど。
検温はあるだろうなと思っていましたが、やっぱりあって、入り口はなんとなく物々しい雰囲気‥。フェイスガードをしているスタッフが多いからそう感じるのかも。
始まる前のお話で「とにかくコロナで大変、突破口を開きたいんです」と総監督の方がおっしゃってましたが、今までとはまったく違うオペラのやり方でした。
新しいオペラのやり方
久しぶりのオペラはすっかり変わっていました。
マスク着用はもちろんで、入るときの検温も今やオペラに限らずありますが、
チケットの半券は今までは係りの人がちぎってくれましたが、自分でちぎって箱へ、
お花やプレゼントはダメ、ビュッフェの営業もなし。
そして入ったら紙に名前と座席を書かされました。
コロナ感染者が出たときのためらしいです。
座席は一つおき、前の方の数列は使用しない。
入り口でチラシをくれないな思ったら、ちゃんと座席に置いてくれていました(すごい配慮)。
オペラグラスの貸し出しは無し。
オケもマスク着用(吹くものを除く)。
一番驚いたのは歌手が全員フェイスガード着用だったこと、指揮者もです。
演者同士が演技であっても接触するようなことはしない。
終わった後も手を繋いで挨拶することはしない。
ブラボーも言っちゃダメ。
など、若干寂しく感じる部分もあるけど、徹底して対策をしているのねという感じでした。
この中で座席が一つおきになっているのは、主催者としては半分に減るので嬉しくないでしょうけど、見る側にとってはとても楽だし見やすいです。
そもそも座席は狭いし、隣が変な人だといやなので
今まではなるべく端の席を取ろうと思っていました。
そのストレスがなくなるのはすごくありがたいです。
ただ…入場してから名前と座席を書かされたのはあまりいい気分がしませんでしたが…。
そもそもこれだけの万全な対策をしていたら、万が一感染者が出たとしても濃厚接触者なんていないんじゃないかと思いました‥。
出演者のフェイスガードについては、特殊な作りになっているのか、つけているのがほとんどわからないくらいのものでした。
実際見ているうちに全く気にならなくなりましたね。
ただ私なんかはそこまでするの?!という感じも正直なところはするのですが、そこまでやらないと来てくれない人もいるかもしれませんしね。
今は仕方ないのかも。
始まる前に藤原歌劇団の総監督さんのお話もありました。
新型コロナ以来、公演がなくなり本当に歌手の方達始め皆大変な状態になってしまっているという切実さがよくわかりました。
ただ聞いていて途中からこれは誰に対してのメッセージなのかなという違和感を若干感じちゃいましたが‥
なんか聞いてるこっちが怒られてるみたいになり‥。
私たち観る人に生きる力を与えているとか使命があるんだとか言われても‥
コロナのせいだしなあ。
そう感じたのは私だけなんでしょうか。まいっか。オペラが観られれば。
オーケストラは壇上、前後に歌手がいるやり方
さて、今回はオーケストラも壇上に上がってのオペラ。
値段的に言ってもコンサート形式なのかなと思ったのですが、そうでもなく、
オーケストラの後ろが高くなっていてそこに合唱の人たちがいて、
オーケストラの前に主役級の人たちという配置でした。
オーケストラもちゃんとソーシャルディスタンスをとって座ってましたね。
オーケストラピットだとキツキツだからそうしたのかも。
なので指揮者も壇上。
主役の人たちの背中に指揮者がいるので、どうやって指揮を見て歌うのかなと思ったのですが、ちゃんと指揮者を映しているモニターが設置されていました。
全体にはびわ湖ホールの指揮者セミナーも同じようにオケの後ろを高くしていたので、ちょっと似てる感じでした。
あんなに遠くから歌うんじゃ聞こえるのかなと最初思ったのですが、メインの人たちは前で歌ったので逆に声がよく聞こえてよかった気がします。
というか今回みんな声が素晴らしかったのもあると思いますけど。
特にこれといったセットはなく、ついたてを数個動かしながら使っていました。
これはコロナ対策兼だと思いますが、場面を表すのにいろいろ効果的に使われていました。
あとちゃんとフラメンコの踊りもありました。これは楽しい!
この値段でよく踊りの人もよんでくれましたという感じで感謝です。
つい指揮者をみてしまう
8月にびわ湖ホールで指揮者セミナーを見たばかりなのと、オーケストラが壇上に上がっていたのもあり、今回は指揮者に目がいってしまいました。
今回の指揮者は鈴木恵里奈さんという方。背が高くてちょっとかっこいい!
びわ湖の指揮者セミナーで手が下がるって注意されている人が多かったんですけど、手が下がってないなあとか、
ちゃんと楽器とか歌とか目立たないけど合図を出してるんだなあとか。
セミナーでは3拍目が短いって言われている人もいたけど、ちゃんと3拍目も短くない、とか。
盛り上がるところではギアーがちゃんと入ってる感じだったし、テンポをちゃんと引っ張ってる、でもあおってない感じだなとか。なんか色々見ちゃいましたね。
2幕目の冒頭がすごくゆっくりに感じたんですけど、そのあと徐々に早くなっていって、緩急の差がすごくあったので、最初のゆっくりはそのためだったのかなとちょっと思いました。
今回は演目がカルメンという有名なオペラという事もあって、字幕はほぼ見なくて大丈夫だったので、その分音楽と演技、そして指揮を充分に楽しみました。
歌手について
今回ダブルキャストだったみたいですが、私が見たのは16日で
カルメンを歌ったのは二瓶純子さん、ホセを歌ったのは澤﨑一了さん。
お二人とも私は初めてだったんですけど、二瓶純子さんという人は雰囲気がまずぴったり、ハバネラの時は、ほとんど動かない感じだったので、そういう人なのかなと思ったのですが、それも演技だったみたいで、そのあとは情熱的でした。
3幕でカードは正直‥と歌うところ、が特に印象的でした。
ヴェルディの役も色々あいそう。
今回ホセの澤﨑一了さんが最初から美しいよく響く声がでていて私の中では一番パチパチ!でした。
花の歌もすごく好きなアリアというわけではないんですけど、今まで聞いた花の歌の中で一番好きでした。
なんせ声がツヤツヤ。
3幕あたりからホセがだんだん狂気を帯びていく感じが伝わってきたのは今回が初めて。
全体に3幕は一番おもしろかったけど4幕のホセの必死感も最高でした。
今回久しぶりに生のオペラを通して見る事ができて本当に楽しかったです。
感慨深く見ていた人も多かったんじゃないかと。
ブラボーは言っちゃいけないから出ませんでしたけど、大きな拍手が長く続いていました。
新型コロナでオペラのやり方はこれからも変わっていくのかどうかはわかりませんが、ふと思ったのは
YouTubeライブでオペラをやったらどうなんだろうと。
例えば若いメンバーだけでやってみて、なんなら投げ銭も出来たら‥。
評価がはっきり出てしまうけど。
オペラの世界ではそんなのありえない!って怒られそうかな‥。
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