新しいルチア
2020年11月14日(土)のルチアを見てきました。
場所は日生劇場。
新型コロナ以来、入り口の検温と自分でチケットを切るのはもう当たり前になった感があり、座席は一つ置き、あとは来場者カードの記入がありました。
さて今回のオペラですが、そもそも題名が「ランメルモールのルチア」ではなく→「ルチア」だったのでちょっとあれ?と思っていたのですが、
海外の題名を日本語に訳しているのだからルチアだけの時もあるのかなあ、くらいに思っていました。
でも実際に見てみて、いつものルチアと違っていたので、題名が違うのも意味があったのねとやっとわかりました。
ピアノの音がしたのもあれ?っていう感じでしたし。
今回のルチアは、一言で言うならルチアの一人舞台っていう印象でした。
実際にはエドガルドもエンリーコもいるんですけど‥。
一人芝居は時々あるけど、一人しか(厳密には亡霊かな?もいて舞台は二人でしたけど)出てこないオペラって初めて見ました。
終わりの時間も15時半となっていたので、どうしてそんなに短いの?と思い、休憩なしだから?それにしても‥
といろんなハテナ?ののちアレンジ版だと理解。
あと、マイクを使っていたのかなあと。ビンビンのマイクではないみたいだけど‥。それとも普段から最近はマイクを微妙に使っているものなんだろうか?
それはよくわからないです。
いいところ取りだからアリアに満足
詳しいアレンジ方法はわかりませんが、いいとこ取りなのかなと思いました。
いいアリアとか重唱とかは全部入れてくれた感じです。なのでランメルモールのルチアのダイジェスト版を見ているっていうところかなと思いました。
だからこういうのもありかも。
いいところだけ聞けたので、このオペラはやっぱりいい音楽がたくさんあるなあと改めて思いましたから。
ただ、ストーリーを知っていればいいけど、知らないで初めてみるとちょっとわかりにくいかもとも。
あと重唱の時に左右に別れていた時、あんなに離れて、しかも見えないだろうし歌いにくくないんだろうかと余計な心配をしました(笑)
ルチア以外は影で歌うだけでずっと出てこなかったのですが、
正直言うと、いつ出てくるのかな、後半かな?途中で出てきてインパクトを持たせる演出なんじゃないかとか、いろいろ想像しちゃってました。
やっぱり姿は見たかった
後半になってもルチアだけだったので、これはもうルチア以外は出てこないんだ‥とわかりましたけど、若干寂しい感じがしたのは否めなかったです。
ずっと一人だけしか見られないのかあ‥と。
やっぱり姿をみて聞くのと声だけとではずいぶん違うと今回感じました。
姿が見えないと、どこを見たらいいんだろうって思ったんですよね、私の場合は。
メノッティにラジオオペラってあったけど、こんな感じだったのかなと思ったり‥。
ただ、今回は新型コロナでいろいろ変更せざるを得なかったみたいだし、大勢が表に出ると衣装が大変とか時間が長いと劇場を借りるのも大変とか、そういうこともあるんだろうか、
などこれまた余計なことまで考えてしまった‥。
とにかくルチアだけに光があたる演出でした。
今回ルチア役は高橋維さんという方でこの方がすばらしかったので、もともとファンの人にとってはたまらない公演だったんじゃないかと思います。
後半の狂乱の場は髪も下ろして雰囲気も変わり、特によかったです。
シャンデリアの細かい演出も
セットはずっと変わらないのですが、シャンデリアが上下するのと
灯りがともるだけでなく、明るさが変わっていました。遠隔でああいうこともできるのねと、シャンデリアの灯りにも注目しちゃいまいした。
ルチアは月があることが多いのですが、今回も大きな月が印象的。
あと、アルトゥーロを刺した返り血を浴びる演出はなかなか強烈。大量の血を浴びていて迫力満点でした。
ちょっとルチアが何度も刺しすぎて怖かったけど‥(笑)。
あの赤い色は洗濯したら落ちるんだろうかとか、壁についた赤も落ちるのかなとかまた余計なこともなぜか考えてしまいましたが(笑)。
歌手について
ルチア役の高橋維さんはやはり安定した声と技術で安心して聞けました。
一人で堂々と歌ってすごいです。
エドガルドは宮里直樹さんで、とてもつやつやした声。
ドビッシーの放蕩息子に出ていた方かなと思います。
エンリーコは先日フィデリオでも拝見した大沼徹さん。
ライモンドは金子慧一さん。
アルトゥーロは高畠伸吾さん
など。
どうしても姿を見てない人はどこで歌っていたか記憶が薄くなってしまうのですが、それでも暗闇から素晴らしい声がたくさん聞こえて来てました。
今回のようにいいとこ取りで聞けるオペラもありかなと思ったのですが、
姿を見せないやり方とコンサート形式にするのだったらどっちがいいんだろう?っていうのもつい考えちゃいました。
いずれにしてもいろんな形でやってみるのは、オペラだってありなんじゃないかと、私はそんな風に思います。
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