カルメンブルガリア国立歌劇場・鑑賞レビュー2018.10月

ブルガリア国立歌劇場カルメンを見てきました。

2018年10月5日

東京文化会館です。

最近、東京文化会館のロビーに机と椅子が増設されたので、喫茶や軽食がすごく取りやすくなりました。

ありがたいです。

さて今回のカルメンはこれまでにないちょっと不思議なカルメンでした。

 

セリフあり

 

有名な序曲はちょっと粗いなという感じの打楽器で始まりました。

この粗い感じは、オーケストラにも合唱にもずっと感じたことですが、

これは国民性というか、ブルガリアらしさなのかなと、最終的には思いました。

 

さてそれとは別に、カルメンの上演が始まってしばらくして感じた違和感というか不思議さ。

なんかいつものカルメンと違う‥。

あれ、セリフがある

もしやオペラ・コミック座の初演版?

珍しい初演版が見られるなんて嬉しい!

と思ったけのですが、それにしては、レチタティーヴォもあるし‥。

どっちなの?という不思議感が続いた第一幕。

実は、私は事前にネットの情報とか、パンフレントを見ないので何も知らなかったのです。

今回、休憩は一回だけ。

一幕二幕は続けて→「休憩」→三幕四幕も続けてやる、

という上演形式だったのですが、

休憩の時にさすがにパンフレットを買おうかなあ、どうしようかなあと思いました。

結果としては買わずにスマホで情報を見ましたが‥なんかもったいなくて(笑)

(写りが悪い‥毎度写真がへたで‥)

今回は原田慶太桜さんという方が手がけた独特の台本だったようです。なるほど、そういうことかと納得しました。

そういえば会場に祝原田様スタンド花もいくつかありました。

結果として、セリフはそれほど多くなくわかりやすいし、すごくバランスがいいなという印象でした。

オペラの中でも特にポピュラーなカルメンなので見る機会は比較的多いのですが、別の楽しみ方があるのねと思い、ちょっとウキウキしました。

 

演出について

 

私の場合最近は、DVDではなく、もっぱら劇場に足を運んで生で見るのが好きなのですが、

生で見るにつけ、徐々に興味が深まっていくのが演出です。

演出って、ゼロから作り出すわけですよね。

音楽のように楽譜が無いのでいかようにもできる分、公演ごとに毎回まったく違うのでおもしろいのです。

(もちろん有名な演出家の演出が長年ずっと使われるというのも多いですが)

さて、今回のカルメンの演出を一言で言うなら、かっこいい演出

特に導入からしばらくは、暗い中から照明が当たるごとに、人物が変わっていて停止した姿。

うまく言えませんが、「あ、かっこいい演出だな」と思いました。

 

舞台の上は基本的に置いてあるものは、場面が変わってもずっと同じです。

真ん中に丸い舞台があって、カルメンとホセだけがそこに乗って歌います。

あとミカエラも乗ってました。

だから主役だけめちゃくちゃ目立つ演出です。

 

しかもその他の人はみんな白い仮面に黒い衣装をつけて、男か女かもわからず、まるで

千と千尋に出てくるカオナシそっくり。

カオナシだけをみていると、すごく前衛的な演出にみえるのですが、

主役の3人とエスカミーリョは従来のカルメンっぽい格好をしているので

全体として前衛的な演出にはあまり見えず、カオナシが不思議な格好をしているにも関わらず

あまり違和感がなく見られました。

 

カルメンはフランスのオペラということもあり、バレエも楽しみなのですが、

今回バレエに関してはもう少し見たかったという正直な印象。

バレエ団も一緒に来日にしているようなのですが、

普通のバレリーナにしては体格がいい人が多かったので、

バレリーナというより別のダンスか何かの人なのかなと思いました。

バレリーナらしい動きは一人を除いてほとんど無く、合唱の人が踊っているのかと思ってしまったのは、失礼?。

時間的にもバレエは短いという印象でした。

 

 

歌手について

 

今回の歌手についてはカルメン役のナディア・クラステヴァという人がダントツに圧巻でよかったです。

とにかくはまり役、メゾだと思いますが、妖艶な見た目とともに、とにかく安定した歌唱でまったくぶれないんですよね。

こんなに安心して聞ける人はなかなかいないのではないでしょうか。

この人があまりに安定しているもので、それ以外の人のハラハラ感が否めず‥。

特にホセ役のコスタディン・アンドレエフという人は、

一幕ではあまり声が出なくて調子悪いのかなと思ったのですが、二幕からは声もでてはいましたけど

この人はカルメンと真逆で、声がちゃんと出るのか、出ないのかとハラハラしてしまいました。

でも見た目はホセにぴったりで、また演技も熱演

ホセの声のハラハラ感と、カルメンのどしんと安定した歌唱が、

二人の関係性と絶妙にマッチして、結果としては、

いやいや、ホセ役はこの人に合ってるわあ、と思ったホセでした。

ホセは熱演でしたしね。

 

ところでカルメン役のナディア・クラステヴァを除いて、他の歌手の人達の声の出し方がなんとなく独特というか

どちらかというと、声を張り上げる感じで、少し昔風の歌い方に感じてしまったのは私だけでしょうか。

これもお国柄なのかな。

とにもかくにもラスト第四幕はハラハラ感がたまらないカルメンでした。

 

そして第三幕前のフルートが奏でる間奏曲はいつ聞いてもやはり美しかったです。

という感じでブルガリアのカルメンは、個性派カルメンでおもしろかったです。

 

そうそう最後にホセにナイフで刺されたカルメンですが、倒れなかったですね。

倒れるかな、倒れないの?いや最後に倒れるでしょ、

と思っているうちに、倒れずにパッと暗くなって終わりました。

刺されても仁王立ち、カルメンは強かったです。

ビゼー・カルメンの魅力・知ってるフレーズが盛りだくさんのオペラ

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