こうもり新国立劇場・2020.12月年末はやっぱりこれを見なくちゃ終わらない!

海外の歌手も来てくれて

2020年12月新国立劇場のオペレッタ「こうもり」を観に行ってきました。

コロナ禍の中、新国立劇場は主要な歌手は海外の人なのでちゃんと来られるんだろうか?

もしや全員日本人に変更になっているのかな?などと思いつつ行きましたが結果としてはほぼ全員海外の歌手の人たちもちゃんと来てくれてました。

2週間隔離されたの?とかそんなことも思いつつ何はともあれよかった!。

さて今回の公演は、入り口で入場者カードを書き、チケットは自分でちぎり(もうこれらにも慣れてきました笑)、中で食べ物はないのであらかじめ食べて行きました。(早く元の華やかな感じに戻って欲しいけどまあ仕方ないです)

座席は一つおきということはなく普通でした。

1階の前3列は使用せず、オーケストラピットも演奏者の間隔がいつもより離れている感じがしました。

歌う人はガードなどせず普通です。

会場は平日夜ということもあってか若干空席も目立ちましたが、チケットの発売日が遅い割には入っている気がしました。

コートを預けることができない代わりに座席の下に置けるように袋を用意してくれてあって細かい心配りに感謝感謝。

新国立劇場は最近チケットの発売日が遅いのはやはり新型コロナの状況を見てのことなのでしょうか。

なんとなくですが(夜の公演だからということもあると思いますが)最近オペラを観にくる高齢者が少し減ったのかなとそんな気もします。

さて、今回のこうもりを見て改めて思ったのは、新国立劇場のレベルの高さ。さすがに日本を代表する国立歌劇場というだけあるというか。

歌手も舞台もすごく一流!世界レベルで見ても引けをとらないんじゃないかなと思います。

バレエもあるし上品で華やかな舞台

幕が開くと見たことがあるこうもりの絵。

今回のこうもりは2年前に新国立劇場で見たのと同じ演出でした。

つい最近だと思っていたのにもう2年も前だったことに驚いてしまいましたが‥笑

舞台とか衣装は同じ。そういえばこうもりにしては珍しく家の中じゃなくて外になっていたのを思い出し。水彩画のような舞台に再会。きれいな絵だなと思ったのを徐々に思い出しました。

これらを2年も保存しておけるってどんな倉庫なんだろ?。

とはいいつつ2年も経つと実はほとんど忘れていて舞踏会のくるくる回る光は初めて見るような気がして新鮮でした。

男性のバレエがかっこいいんですよね。もう一度見られたことが嬉ししい‥。というか何度も見たい笑。

舞台の奥の方でもずっと踊っていて‥偉っ!。やっぱりプロのバレエって全然動きが違うんですよね。だからバレエがあるとすごく華やかです。

舞台セットは同じだけど2年前とは歌手はほとんど違っているし、指揮者も管弦楽も変わってましたね。

前回は東京交響楽団→今回は東京フィルハーモニー管弦楽団

上演は2幕と3幕を続けての上演。さすがに後半はちょっとお尻が痛くなったけど帰りが遅くなるよりいいです(笑)。それでも10時を過ぎちゃいましたね。

あと、第三幕でアイゼンシュタインが口に含んだ飲み物をブーッ!と吹き出すところ。あそこ楽しくて好きなんですけど、音だけで吹き出してなかったのはやはりコロナ対策かも。

ろうそくは本物だったけど葉巻で新聞に穴をあけるシーンは濡らしてあけてました。あれいつもよく燃えないなあと思っていたんですよね笑。

31日の日めくりカレンダーもなし(大晦日の公演じゃないしね)。

全体の印象は日本語を交えてジョークも言うけど全体的に上品なジョーク

一言で言うなら新国立劇場らしい高級なオペレッタという感じかな。

歌手が一流揃い

いつも大体そうなのですが、新国立劇場のシリーズオペラに出る歌手の人たちってすごく一流っていうかうまいんですよね。ダントツに。

名前は知らないけどこんなすごい人が海外にはたくさんいるのねという歌唱力。日本の歌手もすごく上手な人がたくさんいるけど、体の違いとかやっぱりあるのかなと思いました。

しかも比較的若い人が多くてとても華やかな舞台。

アイゼンシュタインを歌ったのはダニエル・シュムッツハルトという人。

私の中ではアイゼンシュタインはそれほど歌も多くないので歌より演技がうまければいいという感覚なのですが、この人は演技も歌もうまいんですよね。日本語も頑張っていたし笑。

歌を披露するところが少なくてもったいないくらいの声でした。

バレエを真似してるのもなんかかわいい感じで憎めないキャラが好感度抜群。

私は第3幕の「彼の妻は私の妻だ!」のくだりが笑えるので好きなんですけど、今回もやっぱりおもしろかったです。

ウィーン生れのバリトンらしいです。なるほどとなんか納得。

ロザリンデを歌ったのはアストリッド・ケスラーというソプラノ。ほっそりして見えるのにすごくよく通る声。レハールとかカールマンなどオペレッタを歌う一方で、ナブッコとかワーグナーも歌っている人で、この声ならワーグナーもいけるだろうなと。演技にも慣れている感じで、声も軽々と出してるんですよね。すごいです。

アデーレを歌ったのはマリア・ナザロワというソプラノ。

アデーレって実は一番歌が多くて難しいんじゃない?って思う役。軽い声のアデーレの場合もあるけど、今回のアデーレは本格派というか明るいけど軽すぎず安定感と技術がすごい。思わずうまっ!って思った人でした。ウィーン国立歌劇場の専属歌手という経歴をみてさすが、と納得しました。

特に第3幕のアデーレのアリアは最高でした!。

オルロフスキーを歌ったのは女性で、アイグル・アクメチーナという人。この役はカウンターテナーかメゾがやるのかなと思っているのですが、私が見たこうもりは皆女性ですね。

男性っぽくするわけではなく長い黒髪をなびかせたオルロフスキーでしたが、かといって女性っぽいわけではなく、出てくるだけで存在感たっぷりの人でした。役に合っているなと。

オルロフスキーをどんな人が演じるかっていうのは私にはこうもりを見るときの楽しみの一つなんですよね。

ファルケ役はルートヴィヒ・ミッテルハマーという人。この人のステップは堂に入っていたのでオペレッタにもよく出てる人なのかな、と思ったらそういうわけでもなさそうでした。

刑務所長のフランクを演じたのはピョートル・ミチンスキーという人。アイゼンシュタインとの変なフランス語の掛け合いがいつも楽しみですが、今回はどちらかというとまじめ系だったかな。

アルフレードを演じたのは村上公太さん。この人は2年前にも同じくアルフレードで出ていて、声の感じになんとなく覚えがありましたけど、以前聞いたときよりさらに上手でびっくり。2年でこんなに変わるのねと。

10月の夏の夜の夢のライサンダーでも出ていらしたとのことなのですが、私の中ではファルスタッフのフェントン役のときの方がなぜか印象に残ってるんですよね。

ちらっと歌ったローエングリンの歌、もっと聞きたかったー!

最後に指揮者も壇上に上がって一緒にご挨拶。今回の指揮はクリストファー・フランクリンという人。

いつもより少しだけ速め(に私は感じた)な前奏曲はとても元気で軽快でした。ウィーンでこのオペレッタをやり慣れているのかと思ったら、アメリカ出身。でも経歴がすごくて、ヨーロッパを中心に経験豊富な人なんですね。

舞台に並ぶと、あれ?一番かっこいい?と思うくらいの見た目でした(笑)。

今回こうもりを見ていて感じたのは「アリアの長さがちょうどいいなあ」ということ。バロックとか聞いてると「きれいだけど長くない?」と感じることがあるんですけど、そういうのもなく心地良いんだなと思っちゃいました。

こうもりはおそらくオペラ(とオペレッタ)の中で、私が生で見た回数が一番多い演目でそれくらい好きなのですが、何度見ても発見があるしまたすぐに見たくなるオペレッタです。

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