2022年5月14日
東京文化会館でカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」を見てきました。
O.F.Cというところの公演です。
この「カルミナ・ブラーナ」でオルフが有名になったというのは聞いたことがあったのですが、実際には見たことがない作品でした。
ただ前にもパンフレットをもらったことはありました。まあいいかと行かなかった気がします。
今思えばその時行っておけばよかった‥
なぜなら今日は最後の公演。もし以前見ていたらきっとそのあと2度3度と通うことができたのにと
それが残念だからです。
オルフについてはオペラ「賢い女」を見ただけでこの作品を見た時は今回のような衝撃は受けなかったのですが、
カルミナ・ブラーナについてはズキュンと射抜かれたかのような感動、衝撃の作品でした。
バレエと合唱の融合
音楽が始まったとたん度肝を抜かれたというか(インパクトが強くて)パンフレットに書いてあった強烈なリズムとは確かになるほどで
これは絶対すごい公演だ!とワクワク‥。
私はオペラが好きでアリアももちろん好きなのですが、オペラの合唱も同じくらいに好きです。
そしてオペラにバレエが入るのがさらに好きです。
ただバレエのみっていうのは申し訳ないけどあまり見なくて‥。やっぱり合唱とか歌が欲しいんですよね。
そんな私にとって今回の「カルミナ・ブラーナ」はバレエ、合唱、独唱、管弦楽という全部がぎっしり詰まった公演でした。
なので私の好きなものはまさにこれ!ここにあったとそんな感じでした。
実は最近はオペラ公演の中でバレエが割愛されることが多くてちょっと寂しい気持ちがしていたのでなおさらの感があります。
この作品はバレエを入れないやり方もしばしばあるようですが、今回の公演を見たらおそらくそれらは今後物足りなく思うこと間違いなしの気がします。
オーケストラピットはピアノが2台を始めところ狭しのぎゅうぎゅう状態。音楽も重厚で迫力あり。
それに大勢のダンサーに大勢の合唱。そして独唱。
合唱は大人だけでなく子供たちまでいるというとにかく大所帯。
独唱はソプラノが中江早希さん。モーツァルトの劇場支配人、その後のリナルドでのアルミーダ役がとても印象的だった方です。今回も超高音がパーンと出て圧巻でした。
そしてテノールが金沢青児さん。この方は初めてです。ブリテンが得意なのかなというのが興味津々なところ。
そしてバリトンが加耒徹さん。この方は同じくモーツァルトの劇場支配人とそれに2021年のこうもりでファルケ役の時に拝見。今回目立ってたしカッコよかったですねえ。
これだけの大勢の人たちを集めてこのお値段?安い!と思ってしまいました。
冒頭のインパクトのある出だしですが、その時受けた感覚はなぜか初めてブリテンの「ノアの洪水」を聞いた時の感動とちょっと似ていました。なぜなんだろう‥。
割れるような拍手とはこのこと
今回の会場は東京文化会館でしたが、1列目だけは使っていなかったもののあとは通常通り。
そして入り口では久しぶりに係の人がチケットをちぎってくれました。(コロナ中はずっと自分でちぎっていましたから)
そんな些細なことですけどちょっと元に戻っていたのは嬉しいです。
合唱はマスクをつけていましたが声はちゃんときこえてきていました。
今回合唱も立っているだけではなく振り付けがあったんですよね。それもおもしろかった。
(練習量とか合わせが大変そうではあります‥)
音楽自体はちょっとローマ時代の映画か何かを思わせるような雰囲気も。この印象はダンサーの衣装の色からそう感じたのかもです。
思わず拍手をしたくなるようなところが何度もありましたが拍手をしていいのか悪いのかタイミングもわかりませんでしたので周りに合わせることに‥。最後に割れるような拍手でした。
東京文化会館で聞いた最も大きな拍手だったかもしれません。
パンフレットには歌詞をつけてくれていましたが始まるまでには読めず、
字幕もないので、見ている時は内容は正直わかっていませんでしたが、音楽とバレエに夢中であっという間の90分でした。
バレエと生歌と管弦楽って私には夢の融合です。
カルミナ・ブラーナの初演は1937年とのこと。
昔からパントマイムとか劇音楽、バレエ劇はあったと思いますが、ここまで全てが充実した作品ってあったんだろうか。いやーきっとないんじゃないかなあと勝手に思う‥。
20世紀になってこういう作品が出てきたっていうことなのかな。
現代に近い音楽って実は個人的にちょっと苦手意識があったのですが、こんなに素晴らしいならもっと聞きたいし見てみたい、そんなことも思ったのでした。
そしてカルミナ・ブラーナは今後もし機会があればまた絶対に見にいきたい公演になりました。
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