メノッティのオペラ「電話」見どころとあらすじ・プロポーズしたいのに‥

メノッティ「電話」というオペラを見てみました。

メノッティっていう作曲家ってどれくらい知られているのかな?。

アメリカオペラには必ずメノッティの名前が出てくるんですけど、実はメノッティのオペラを見るのは私は電話が初めてでした。

その印象と感想を一言で言うなら「電話」だけをみると明るい歌芝居という感じでした。

素人目にはミュージカルでも良いんじゃない?という感じ。

でも他の作品はちょっと違うのもあるんですよね。

メノッティってどんな人?

アメリカのオペラというとガーシュインの「ポーギーとベス」がまず浮かぶんですけど

オペラの本を見ていると、アメリカオペラにはガーシュインよりもメノッティのオペラの方がたくさん出てきます。

オペラ好き以外にはほとんど知られていないんじゃないかなーって思うんですけど‥。

アメリカってオペラの歴史からすると新興国ですよね、日本は更に遅いですけど。

オペラはやっぱりヨーロッパ、特にイタリアから始まってますし、アメリカはオペラというよりミュージカルっていうイメージが強いと思うのです。

ポーギーとベスの初演は1935年だし、メノッティの「電話」も1947年初演

オペラとしてはすごく新しい現代の作品なわけです。

オペラを見るならやっぱりヴェルディとかモーツァルトとか、プッチーニとか…

もう少し古いものの方がなんとなく伝統があって、いかにもオペラっていう感じで

どうしてもそっちに走っちゃうんですよね。

新しいオペラは興味ない!とりあえず今はいいや!っていう感じでずっと来てました。

そもそもオペラの上演ってそんなには多くないので、何十年かかってもそれほど生では見られないです(チケットも高いですから‥笑)

でもって、ようやくアメリカのオペラを見てみようかなあっていう気持ちになってきました。

これって遅いのかもしれないけど‥。

さて、メノッティってアメリカオペラに出てくるからアメリカの作曲家だって勝手に思っていたんですけど

よくよく見るとイタリア生まれなんですよね。1911年ロンバルディア州の生まれなのです。

それを聞いて「なるほどだからミュージカルじゃなくオペラなのね」とまず勝手に思う私。

2007年に亡くなっているということはつい最近までお元気だったわけです。

亡くなった場所はモナコのモンテカルロ。

モナコといえば外国からの移住者が多い都市。賃貸物件は超高額だし、ホテルも高級揃い、

移住する要件がとにかく厳しい超セレブのイメージの都市です。

晩年はそこで暮らしたんだろうか‥いいなあ。なんてことも勝手に想像しちゃいました笑。

バーバーと同世代

そしてもう一つ気になったのはバーバーと同世代私生活も共にしていたということ。

バーバーの「弦楽のためのアダージョ」ってすごく個人的に好きな曲なんですよね。

そのバーバーと共に暮らしていたのね、ふうん‥なるほど。

バーバーとメノッティとはほぼ同じ年。

でもってメノッティはバーバーのオペラの台本も書いているんです。

バーバーも数は多くないけどオペラを作っているんですよね。

  • ヴァネッサ(1958年)
  • ブリッジの手(1959年)
  • アントニーとクレオパトラ(1966年)

など。

で、ヴァネッサブリッジの手っていうオペラの説明をみると確かに台本がメノッティになっていました。そうかあ、そういうつながりもあるのねとおもしろくなって‥。

さらにアントニーとクレオパトラというオペラについては、初演はフランコ・ゼッフィレッリという映画オペラで有名な人が台本を書いているんですけどそれが失敗しちゃったようなんですよね。

しかもこのオペラは、新メトロポリタンのこけら落とし用に作られた演目だったという、とても大事な演目だったみたいなんですよね。それなのに失敗‥。

で、その後メノッティが台本を大幅に改定して再演してるんです。

再演のときに指揮を担当したのもメノッティ。

うわあ!、二人の絆は強いなあなんて思っちゃったりしました。

再演のときの成功度については、残念ながらよくわからないですが‥。

ただ、アントニーとクレオパトラってアメリカで同じような時期に

ブロードウェイローレンスオリビエとヴィヴィアン・リーが演じているし(ヴィヴィアン・リーは美しい人でしたねえ)、

映画では1971年にはチャールトンへストンの「アントニーとクレオパトラ」があるんですよね。

そんな中でオペラでの上演ってどうだったんだろうか?

映画のスペクタクル性にはかなわないんじゃないかなあ、

なんて思ったりもしちゃうんですけどね。

とにかく、そういう流れをちょっと垣間見たり、自分なりの発見があると、私の勝手な妄想も大いに手伝って(笑)ワクワクしちゃうわけです。

そして、まだ見たことがないバーバーのオペラを見てみたい!と思うのですが残念ながらやっているのを私は見たことがない‥。というか今回はバーバーじゃなくメノッティでした(笑)

それにしても音楽家って男性同士のパートナーって結構多い気がします。

最近見たところでは確かブリテンもそうだったし。

あと思うのはオペラで女性の作曲家ってほとんどいないんですよね。最近ウィーンで見たオーランドは女性でしたけど。

古い時代は女性の地位が低かったことも原因の一つかもしれませんが、やっぱりもともとの男女の芸術性の違いってあるのかなとなんとなく思います。

女性は現実的すぎる?!のかもしれない‥。観るのは好きなんですけど。

メノッティの電話・あらすじ

どうでもいいことをつらつら書いちゃいましたが、メノッティのオペラ「電話」ってどんな作品なのかについてです。

まず時間が短いのでとても観やすいです。

  • オペラ「電話」
  • 作曲:ジャン・カルロ・メノッティ
  • 初演:1947年
  • 場所:ヘックシャー劇場(ニューヨーク)
  • 上演時間:1幕 約30分

ヘックシャー劇場っていうのはもともと孤児や病気の子供達向けの600人ほどの劇場だったようです。

でも、このオペラはその後メトロポリタン歌劇場でも上演してるんですよね、1965年に。

メトのような大きなホールででやるようなオペラかなとも思ってしまいますが‥。

「電話」は登場人物は二人だけで、一幕ですから。

では簡単にあらすじを書いておきます。

<電話のあらすじ>

これから旅に出るベンが、旅の前に恋人のルーシーにプロポーズをしにやってきますが、いざ打ち明けようとするとなんども電話が鳴ってルーシーは長話をしてしまいます。

時間がなくなったベンはあきらめて出かけてしまいます。ようやく電話が終わったルーシーはベンがいないことに気づき、なんだったのかしら?と。

そこで再び電話が鳴ると、外から電話をかけてきたベンの声。ベンのプロポーズを受けるルーシー。

という他愛もない恋人同士のお話です。

なんということもないストーリーで、最後はハッピーエンドに終わるから良いのですが、

うーん、なんだろうなあ。

勝手気ままなルーシーを見ていると、ベンが気の毒で見ていられない感じがするし、なによりこういううるさくて面倒臭い女性っているよねとつい思ってしまいました。

正直ちょっとイライラしてしまった(笑)。そういう自分も大人気ないのですが‥。

そんなわけで、このオペラは好きな話?と言われるとちょっと微妙。

それでも最後はうまく行くのでまいっかという感じが率直な感想でした。

私が見たオペラ「電話」は固定電話を使っていましたが、初演の1947年頃って日本だと、ジーコロコロ!って指で回す黒電話があった頃なんですよね。

ただしすべての家庭に電話があったわけではない時代です。

当時アメリカの電話状況は日本よりはずいぶん進んでいたのだと思うのですが、

ルーシーの家に電話があるのが普通なくらい電話があったのだろうか?

それともすごく新しいものとしてオペラにも取り上げてみたんだろうか、などと余計なことまでちょっと考えちゃいました。

現代だと黒電話を使っている人はほとんどいないし、そもそも固定電話より携帯電話になってますよね。

もっというと電話で伝えるよりLINEとかのSNSで伝えるんじゃないかなと。

そういう意味ではメノッティの「電話」というオペラは今後どういう風に見えるんだろう。

なんか古いね、電話が出てくるなんて‥」

となっちゃうんだろうか。

そうそう、「電話」をみたあとは「ハロー!ハロー!」の旋律がやけに耳に残ります。

それだけ親しみやすい音楽っていうことかな。

専門家によると伝統的なハーモニーと時々不協和音と多調性とあるのですが、それについては正直よくわかりませんが

個人的な感想としては聴きやすいオペラじゃないかなと私は思います

あと「電話」って短いオペラなのですが、もともとは「霊媒」っていうオペラと一緒に上演するものを何かっていうことで作られた作品だったらしいんですよね。

だから短いのねと。

また、霊媒」っていうオペラは「電話」とは打って変わってオカルト的な作品なのです。

だから逆に電話は他愛もない明るい内容になっているということらしいのです。なるほどですよね。

この「霊媒」っていうオペラもすごくおもしろいのです。というか背筋がぞっとするタイプのオペラ。

メノッティってそういうのが本当は得意なの?と今は私もちょっとわからない状態です。

というわけで霊媒も見てみることにします。こういう風に繋がっていくのもオペラの楽しいところかなと!ではでは。

メノッティの「霊媒」インチキ霊媒師のオペラ

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