日生劇場で見るオペレッタ
2020年11月29日、日生劇場にレハールのメリー・ウィドーをみに行きました。
昨年は同じ日生劇場でオッフェンバックの天国と地獄をみたので、この時期にオペレッタを上演するのがお決まりなのかな?と思いました。
先日テレビで日生劇場の造りについて解説していたらしく、貝を貼り付けて出来ているという天井を改めてみてみました。確かに変わってる‥。
ついでに日生劇場は赤い緞帳も立派ですよね。
そして今日が千秋楽とのこと。座席は新型コロナ対策で一つおきでしたが満席。
観客は高齢者が多いかなという感じ。あと関係ないけどお隣の日比谷公園では野外フェスが行われていたので、そっちも賑やかでした。
コロナでなんとなく自粛の毎日にオペレッタを観られることにまず感謝!です。
そして観た感想を一言で言うなら、メリー・ウィドーってやっぱり2大オペレッタの一つとも言われるだけあるなあと、改めて思ったこと、そしてすごく楽しかった。
昨年の天国と地獄は私の中ではちょっと不完全燃焼感もあったのですが、今年は思い切り手拍子もして楽しみました。
初めて劇場でオペレッタをみた時、やっぱり今回のように手拍子があって、その時は何度も同じ音楽を繰り返してくれたんですよね。チャールダーシュだったかなあ。その時「オペレッタってこうやって手拍子したりしてみてもいいんだ!」とすごく新鮮に感じてウキウキしたのを覚えています。
今回も繰り返しを入れてくれたし、(もっと欲しかったくらい笑)楽しい上演でした。
今回は日本語上演で字幕付き。このパターンはわかりやすくて助かります。
あと、いいなと思ったのは二重唱の掛け合いのような時に日本語だと、こういう言葉を掛け合っていたのねとわかるのでそれが新鮮でした。
日本語だとアドリブとかご時世のだじゃれとかそれもわかるから楽しいし。
こういうオペレッタはやっぱり日本語もいいなと。
踊りがどうなるのかと思った
音楽が始まると、軽快なんだけどなんとも言えないレトロ感もあって「これこれ!」とすぐに楽しくなるんですよね。
ただ、今回一番気になっていたのは実は踊りのこと、メリー・ウィドーってマキシムのシーンがあるし、ワルツもあるし踊りが結構あったと思ったのでどうなるのかなと。
そんなに高いチケットではないし、座席も一つおきだし、新型コロナで大変だから、たくさんの踊り手は呼べないよね多分‥と。
結果は足が頭の上まで上がるようなダンスはさすがに無理でしたけど、それでもマキシムっぽい衣装や、民族音楽っぽいダンスなど、なんとなく楽しい雰囲気がでてました。
あれは合唱の人たちが踊っていたのかな?
今回の上演は3幕のところを休憩は1回だけで2幕と3幕を続けての上演。
舞台は基本同じですが、2幕になった時木があるだけで一瞬全く別の舞台に見えました。
メリー・ウィドーって私の中では未亡人のハンナが主人公だと思っていたんですが、ツェータ男爵とバランシェンヌが先に書いてあったのでそっちだったのかな?
まいっか、それは。
歌手について
オペラとオペレッタの違いの一つに「オペレッタの人の方が細い」っていうのがあるんじゃないかと思います(笑)
オペラの場合かなり恰幅のいい女性や男性が主役だったりして、それも別に気にならないんですけど、オペレッタになると基本男女共にスタイルがいいですよね、あと顔も。
やっぱり歌って踊れるっていうのがあるからなのかな。
今回ハンナ役は嘉目真木子さん。この方は魔弾の射手のアガーテ役で見て以来忘れられない歌手の一人なのです。
見た目も美しいけど特徴はその声で、ちょっと陰影のあるメゾっぽいソプラノだったので、また聞きたいと思っていたので今回また聞くことが出来てとても満足。
やはり落ち着いた声で「歌って踊れる」タイプではないと思いますけど、ちょっと色っぽさがある素晴らしい声!。
なんかウェルテル役なんかもすごく合いそう、と勝手に想像しちゃってました。
衣装もはっきりとした赤と白と黒で舞台映え抜群!
ヴィリアの歌って結構長かったのねと今回わかりました。意外に難しそう‥。
ダニロ役は与那城敬さん。この人は初めて見ましたが後半になる程声もでて、雰囲気もよくてオペレッタに向いてそうと。沖縄の方かと思ったらそうではないみたいですね。
っていうかダニロってテノールじゃないの?と思ったのですが、バリトンまたはテノールっていう感じなんですね。知らなかった‥。
今回何かと引き締め役っていう感じでよかったのがミルコ・ツェータ役の三戸大久さん。
この方は先日フィガ郎の結婚のバルトロ役でみたばかり。
声がよく通るし存在感があってどこか憎めないところがなんかかわいかった。
そしてヴァランシェンヌ役は箕浦彩乃さんという方。
この方はまさに歌って踊れるソプラノっていうところかと。
マキシムのシーンで一緒に踊っていましたけど、おそらくちゃんと習っていたことがあるのかな?っていう感じ。だからこの役に選ばれたのかなあと(勝手な想像ですが)
ハンナとヴァランシェンヌの声質が全く違っていたので、それもよかった気がします。
ヴァランシェンヌに恋するカミーユを演じたのは高田正人さん。
「高田正人のwhy not?」で楽しいオペラの裏側とお話しを聞きに行って以来。
実は髪をあげていたので最初全然わからず、え?あの役だったのと驚き。すごく若々しく見えました。
ヴァランシェンヌに最後のくちづけをと歌う切々としたアリアはメランコリックでいい曲なのねと再発見。
あとツェータ男爵のそばでちょこちょこと動き回って気を揉んでいた役。(名前がわからないけど)もなんかおもしろかった。
実は私はオペレッタならやっぱりヨハンシュトラウスのこうもりが一番!とずっと思っていたのですが、今回メリー・ウィドーを見てちょっと揺れました。
こっちもいいかも‥(笑)。
あとお金をかけた豪華な舞台でこのメリー・ウィドーをみてみたいし、もっと他の観客の人たちと一緒に盛り上がって見たい、繰り返しを何度もしてもらいたいなあとかそんなことを思いました。
それにしても、ハンナの銀行預金がどうなるかで国が潰れるとか潰れないとかどんな富豪?
いずれにしてもメリー・ウィドーはやっぱり音楽が好きです。メランコリックあり、民族的な音楽あり、エッジの聴いた音楽もありで飽きないですから。
何度もみたいオペレッタですね!
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