チャールダーシュの女王・異国情緒の旋律が染みる魅力のオペレッタ

今回は、あまり知られていないけど、日本人にぴったりのオペレッタ、

カールマン作曲のチャールダーシュの女王についてです。

オペレッタのおすすめ作品の中でも少し触れましたが、ハンガリー風の情緒あふれる旋律は

一度観たら誰もが好きになること間違いなしです。

日本人には染みる音楽だと思うんですよね。

 

チャールダーシュ・モンティ

 

今回はオペレッタ・チャールダーシュの女王についてですが、

日本では、チャールダーシュと言えばモンティがまず浮かぶのではないでしょうか。

モンティはイタリアの作曲家なのですが、代表作のチャールダーシュ以外はあまり知られている曲もなく

逆に言えば、モンティはこの曲だけで有名な作曲家といってもいいかもしれません。

 

バイオリンをはじめ、ピアノ・管楽器など様々な楽器用の楽譜があり人気の度合いもわかります。

今回のオペレッタの題名にもなっているチャールダーシュの音楽の人気は

ヨーロッパ中に広がったので、イタリア生まれのモンティも影響を受けて作曲したのだと言われます。

チャールダーシュはもともと現在のハンガリーから生まれたんですね。

チャールダは居酒屋とか酒場という意味です。

 

ハンガリーの居酒屋で兵隊を募るために踊った音楽が始まりで

そして、チャールダーシュの音楽の元になったのは

さらに昔からあるロマ(ジプシー)音楽なんですね。

 

ロマ族は移動民族だったのでロマ音楽の影響はヨーロッパ全体からロシアまで及んだと言われますが、

それだけ誰しもの耳にインパクトのある音楽だったということでしょう。

 

中でも特に影響が強かったのが現在のハンガリーだったんですね。

 

居酒屋での踊りがチャールダーシュという舞曲になり

ハンガリーと言えばチャールダーシュとなっていったわけです。

現在ではモンティのチャールダーシュは、ロマ音楽を得意とする楽団は必ずレパートリーとしていますね。

 

さて、オペレッタ・チャールダーシュの女王は題名の通りチャールダーシュの音楽が満載です。

主人公のシルヴァがチャールダーシュを得意とする歌姫なのです。

チャールダーシュの女王の中でも何度も出てきますし序曲からエキゾチックなハンガリー色が満載です。

 

ではチャールダーシュの音楽の特徴はというと

前半はラッシュと言ってゆっくりなテンポのもの悲しげな単調の調べ

そして後半はフリスという部分で前半とは対照的にとても速いパッセージが続く

というお決まりのパターンです。

これがなんとも私は好きなんですよね。

 

前半のラッシュは、お涙ちょうだいのような旋律で日本でいうと演歌を思わせる民族音楽の色彩たっぷりなので

日本人の心にも響くのだと思います。

ねっとりしたゆるいテンポから後半はものすごく早くなっていくので、

眠っていた血が騒ぐ、思わず踊りたくなるそんな音楽です。

一時期ウィーンの宮廷がチャールダーシュを禁止にするという事態になりましたが、

それほど人々の心をとらえた音楽ということでもありますよね。

 

オペレッタ・チャールダーシュの女王

 

カールマンという作曲家はオーストリアの作曲家ですが出身はハンガリーです。

だからチャールダーシュの音楽とは切っても切れなかったのでしょう。

  • 初演:1915年ウィーンにて
  • 原語:3幕 ドイツ語
  • 作曲:エメリッヒ・カールマン

 

では、簡単にあらすじをご紹介です。

<簡単あらすじ>

貴族の息子エドウィン歌手シルヴァと恋人同士。

ところがエドウィンの両親が勝手にいとこのシュタージとの婚約を決めてしまいます。

一旦別れ別れになった二人ですが、諦めきれず再会

反対していた父親も、最終的には自分の妻(エドウィンの母)も実は歌手だったことがわかり、

結婚を認めざるをえなく、めでたしめでたし

 

 

このお話には悪い人が出てきません

恋敵のシュタージも素直な娘のキャラで、こわーいアイーダの恋敵のアムネリスとは全く違うタイプです。

そして、もっとも演技派で、チャールダーシュの女王の引き締め役といえる

親戚のボニもひょうきんで憎めないキャラ。

とにかくチャールダーシュの女王は底抜けに明るくて楽しいオペレッタです。

 

チャールダーシュの女王は、最初から最後までチャールダーシュの音楽が満喫できるオペレッタなので、

日本人にはとても向いていると思います。

私もチャールダーシュの女王は、

最初に映像で見たのは20年以上前で、すぐに好きになりましたがその頃はなかなか劇場で生で見る機会がなかったんですね。

当時はまだチャールダーシュの女王が日本でほとんど知られておらず本を見ても載っていなかったです。

日本に入ってきたのはわりと遅かったんですよね。

私が最初にやっと生で見ることができたのは4年前だったか、三橋敬子さんの指揮で日生劇場だったと思います。

その時は嬉しかったですね。

やっと生で観られたという嬉しさ。

 

映像では何度も観ていましたけどやはり生で観るのはいいものです。

特にオペレッタはオペラに比べてちょっと大げさな演技とかアドリブとかダンスが入るので楽しさ満載です。

 

チャールダーシュの女王の上演は最近になって徐々に増えてきましたが、

これからもっともっとポピュラーになってもいいオペレッタの演目じゃないかと思います。

ミュージカルが好きならぜひという感じですね。

 

さて歌ですが、チャールダーシュの女王というと、

音楽は躍動的で全く飽きることが無いと思いますが、

主役のシルヴァが歌うチャールダーシュの歌もさることながら私が一番浮かぶのは

「女がいなけりゃだめさ」の歌です。

たしか友人のボニが歌っていたかと。

終わったかと思うとなんども繰り返し歌うところがショー的で、観客と一体になるところ。

これぞオペレッタという感じです。

一番印象に残る部分ですね。ぜひ聞いて楽しんでみてもらいたいです。

 

ちなみにカールマンは「マリツァ伯爵夫人」というオペレッタも書いていますが

これもチャールダーシュの女王を思わせるカールマン節満載のオペレッタです。

こちらもそのうち生でみたいです。

 

その他のチャールダーシュとロマ音楽

 

チャールダーシュの女王が日本人に合っていると言いましたが、

 

ある調査では日本人の半数以上が、演歌が好きと答えているんですね。

若い時はJポップが好きでも年を重ねると演歌に移行という人も多いようです。

 

演歌には日本人の心をつかむものがあるのでしょう。

ちなみにクラシックはというと

1〜2割の人が好きと答えています。やはり少なめですね。

 

西洋のクラシック代表ともいえるバッハやモーツァルトの音楽が苦手でも

郷愁をそそる演歌にも似たチャールダーシュの女王なら、きっと日本人には合うと思います。

 

というのも、全体として日本人はクラシックがさほど好きでは無いとはいえ、

日本人が大好きなクラシック音楽というのがあります。

  • サラサーテのツィゴイネルワイゼン
  • ブラームスのハンガリー舞曲
  • リストのハンガリー狂詩曲
  • ドップラーのハンガリー田園幻想曲

そしてモンティのチャールダーシュもそうですね。

 

これらの曲は全てチャールダーシュやロマ音楽が取り入れられています。

 

このように日本人が大好きなクラシック曲にはロマ音楽を取り入れたものが並んでいるんですよね。

異国情緒あふれる、メロディーはやはり海を超えて日本人の心にも響くのだと思います。

 

ちなみに世界中でもっとも有名なオペレッタこうもりの中でも、ハンガリー夫人に化けた主役のロザリンデが

チャールダーシュを歌うシーンがありますね。

ぜひチャールダーシュの女王の魅力を味わってみてもらいたいです。

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