ヘンゼルとグレーテル日生劇場2019年6月レビュー

日生劇場でフンパーディンク作曲のオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を見てきました。

日生劇場は座席数1300ちょっとで比較的こじんまりした劇場

若干レトロ感もある劇場ですが、どの席からも見やすくてロビーもゆったりした作りになっているので結構好きな劇場なんですよね。

しかも場所が日比谷という行きやすさ。

さてヘンゼルとグレーテルは数あるオペラの中でもとりわけ好きな演目です。

とにかく音楽が好きなんですよね。

 

ヘンゼルとグレーテル音楽

今回のヘンゼルとグレーテルは

管弦楽は新日本フィル、指揮は角田鋼亮さんという方で日本語の上演で字幕はあり。

3幕のうち1、2幕を一緒にして休憩は一回という上演でした。

ホルンで始まる前奏曲はドイツっぽくて確かにちょっとウェーバーっぽい。

前奏曲は全部のストーリーが凝縮されたような音楽で、これを聞くだけでジワーン。

特にお祈りのフレーズは美しい。

今回生で見るのは3度めですが、確かにワーグナーっぽいなあと今回改めて諸所に感じました。

ワーグナーの手法を童話で取り入れたといわれるのですが、聞けば聞くほどなるほどねと思えてくるんですよね。

そしてまた聴きたくなる‥。

映画もそうですが、オペラの場合も何度か見ると最初は気づかなかったけどここもいいねというのがいろいろわかってきてそれがまた楽しいんですよね。

最初見たときは1幕でヘンゼルとグレーテルが遊ぶ数え歌や、お父さんが帰ってくるときの歌、

3幕では魔女のホークスポークス!が印象的で、

逆に2幕後半の森のシーンがあまり印象になかったんですが、

今回は演出も素晴らしかったからか、2幕後半の森のシーンもとても良かったです。

小人の歌やカッコウの曲もみずみずしいし、バレエも印象的。

というわけで今回のヘンゼルとグレーテルは隅々まで全部ちゃんと味わった感があって、非常に楽しかったです。

ワーグナーの指輪のファフナー登場か?と思わせるような音楽もあって、音楽の盛り上がりがやっぱりワーグナーぽいねと。

プッチーニもこれでもかと盛り上げる音楽が得意だと思うんですが、ちょっと別物。

プッチーニもいいけど、体にじわーっとくる感動、ときにわけもなく涙が出そうになる感動はやっぱりワーグナー、そしてフンパーディンクもかな。

ヘンゼルとグレーテルって内容的に地声のセリフがたくさんありそうって思うんですが、

これがないんですよね。基本的に全部音楽になってる。

そしてこのヘンゼルとグレーテルという曲はフルートやバイオリンなどがソロで結構聞こえてくるんですけどそれがまた美しくて。

前奏曲や途中何度か出てくるお祈りの曲、あのフレーズはやはり心が洗われる気がします。

私はミュージカルも大好きなんですが、オペラって違う、なんていうか音楽がふくよかで最高!と思っちゃいました。

ヘンゼルとグレーテル演出

今回演出もすごくよかったんですよね。

今までで見た中で一番よかった。

まず最初の森の様子が雰囲気たっぷりでまるで本当の森のよう。

最初にすべての登場人物が現れるのも粋な演出。子供が見たら飽きないんだろうなと。

全体に演出が素晴らしかったと感じたんですが、特に思ったのはバレエの登場の仕方。

諸所に出てきて、途中で衣装が白く変わるというのが音楽の盛り上がりとぴったり合っていて、

しかも男性が天使という斬新さ、バレエの動きもなんかすごく合っていたし神々しささえ感じました。

 

お父さんとお母さんのメイクがちょっと怖かったけど見ているうちに気にならなくなりましたね。

そして今回魔女の役は男性(メゾのときも)。

中に短パンを履いてたんで、おネエ風?と思ったけど、

途中でビキニ姿になりちょっとドジな魔女。キャラが立っていてこれが面白かった。

楽しい魔女にするならやっぱり男性がいいのかも。

お菓子の家って普通はビスケットで囲まれた三角屋根の家が多いと思うんですけど

今回はケーキを大きくしたようなクリームたっぷりの家で、なるほどわかりやすいなあと。

これも演出で感心した一つでした。

一点だけ、最後音楽が終わった後もキラキラした舞台が残ったんですね。

あれはあれで神々しくて良いけど拍手を思い切りしたいのにちょっとタイミングを逸した感がしてしまったのは私だけかな。

歌手について

子供向けオペラといわれるけど歌は一流で、今回も安定した歌と演技でした。

ヘンゼルを演じたのは郷家暁子さんというメゾ。

なんか聞いたことある声だなあと思ってプロフィールを見たら、昨年5月のアルチーナでブラダマンテ役で出てました。

声って結構耳に残るものなんですよね、

最初はわからないけど聞いているうちにあれ?なんかこの人の声って聞いたことがあるんじゃないかなって思う時があります。

今回の郷家さんもそう。

アルチーナのときは小柄だけど落ち着いた声を出す人だなあと思ってました。

今回も安定した歌唱だけど元気よく、小柄な感じがヘンゼルにぴったり

そもそも日本人って華奢で若く見えるのでヘンゼルとグレーテルをやるにはぴったりじゃないかと思うんですよね。

グレーテルを演じたのは小林沙羅さんという人。

こちらも安定した綺麗な声とかわいい容姿でぴったり。

主役の二人は演技も歌もやはり良かったです。

出ずっぱりだし、演技が多いし実は結構大変な役ですよね。

両親を演じたのは池田真己さん藤井麻美さん

二人とも同じメイクでちょっと見た目はゾンビっぽいんですけど、楽しく見えるから不思議。

第一幕の二人のかけあいながらのライラララの歌は良かった。

魔女役は角田和弘さん、テノールかな。

黒いビキニ姿で、唯一劇中で拍手が出ていました。

トラヴィアータのアルフレードもやっているから

超真面目な役と両方いける方なんですね。

魔女のノリノリの曲、最高でした。

変てこな魔女の人形が客席の天井を横切って、あれも笑いが‥。

子供向けの趣向なのかもしれませんが、大人も楽しめました(笑)

眠りの精の小人はこれまでちょっと怖い印象を持っていたんですが、今回の小人はかわいい感じ。

膝立ちして歩いていると思ってよく見たら膝に靴を履いていて‥。そう思ってみると確かに小人に見える。

小人と露の精を演じたのは宮地江奈さんという人。

この人もアルチーナの妹役で出ていて、うまいなあと思った記憶があります。

ちなみに16日の眠りの精は男性になっていたけどカウンターテナーなのかなと。

子供の合唱は元々好きですが今回のはパートが分かれていてなかなか難しそうなのに、楽しく歌っていたのも良かったです。

何はともあれとても良かった。オペラって楽しい!

可能ならもう1日ある翌日のも見たい、と思った今回の公演でした。

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