オペラの価格ってどれくらいなのか
すごく高いのか、それとも安いチケットもあるのか
チケットの価格によって何が違うのか
どれくらいの価格で見るのが良いのか
について書いてみたいと思います。
びっくりする高額チケットの価格
2018年9月にNBSが主催するローマ歌劇場の引っ越し公演がありました。
この時のS席の価格が54000円でした。
びっくりするくらい高額な価格ですよね。
二人で行くと10万円を超えてしまいますから。
いったい誰が行くんだろうと思うのですが、S席はほぼ満員の状態でした。
巷では景気がよくなっっても実感がない、給与が上がらないという声を聞きますが
オペラの会場に行くと別の世界もあるのね、と感じます。
この時のオペラ公演は、S席からF席まで7種類に分かれていて、一番下のF席でも12000円という価格でした。
7種類に分けるというのは非常に種類が多い方です。
F席の12000円なら手が届くと思うかもしれませんが、F席の設定はほんの僅かしかなく、手に入れるのは至難の技。
そんなもんです。
とはいえ、なぜそんなに高いのかというと、
それも仕方がない面があります。
引っ越し公演はその名の通り歌劇場全体がやってくるので、
管弦楽のメンバーはもちろんのこと、合唱団、バレエ団そしてスタッフさん達というすごく大人数で来日するわけです。
ちょっと考えても費用がかかりますよね。
そしてメインキャストの歌手は歌劇場のお抱えの人だったり、そうでなかったりしますが、いずれにしても引っ越し公演の際はそれなりに有名な歌手を呼びます。
それも考えるとチケット代が高くなるのはどうしても仕方がないんですね。
引っ越し公演は実はそんなに利益が無いという声も聞きます。
手間もかかるし、利益も少ないからか、どうしても引っ越し公演というのはそれほど多くないですね。
でも引っ越し公演の良さは、その劇場の雰囲気が伝わってくることだと思います。
引っ越し公演ではその劇場が得意な演目を選ぶことが多いので、ローマ歌劇場の場合はローマにいかずともローマらしいオペラが見られるというのはやはり貴重なんですね。
ただ、引っ越し公演でもそこまで高くないものもあります。
1万以上は仕方がないがそれほど高くないチケットもある
ローマ歌劇場のS席は54000円でしたが、
それほど良い席でなくてもいいのであれば、1万円台のチケットもありました。
私はE席19000円という価格のチケットを購入しましたが、座席は最上階(5階)のしかも最後列だったんですよね。
これ以上悪い席は無いのでは?と思うような席(笑)。
さらに安いF席っていったいどこなんだろう、と思いました‥。
ただ、同じ引っ越し公演でもそこまで価格が高くない公演もあります。
2018年6月にイタリアのバーリ歌劇場の公演がありました。
こちらも引っ越し公演でしたが、S席29000円、一番安いD席は9000円だったので
ローマ歌劇場に比べると、かなり割安感がある引っ越し公演でした。
とはいえ、オペラの場合引っ越し公演でなくてもチケットの価格が1万円を超えるのは仕方がないところではないかと思います。
日本では新国立劇場や、二期会、藤原歌劇団などのオペラがありますが、
管弦楽、合唱、バレエなどが入った正式なオペラは、たとえ日本人が主のオペラであっても1万円越えは仕方ないところかなと思います。
そのため、たくさん見たいオペラ好きは、少ししか無い安いチケットを取るために躍起になったりするんですよね。
スカラ座の天井桟敷にいる人たちもそんな人達だと思います。
安いチケットには理由がある
同じ引っ越し公演なのに、ローマ歌劇場とバーリ歌劇場ではなぜそんなに値段の差があったのでしょうか。
ローマもバーリも両方ともイタリアの歌劇場で
上演場所も両者とも東京文化会館でした。
最も大きな違いは歌劇場の格ではないかと思います。
ローマ歌劇場は比較的名前が知られていますが、バーリを知っている人は日本ではほとんどいないと思います。
どちらも歌手は上手でしたけど。
ローマ歌劇場の方が世界的な歌手を選りすぐっている感があるのに対し、
バーリの方は劇場のお抱え歌手、または主にイタリア地元で活躍している歌手なのかなという感じでした。
その分バーリの方はイタリアらしい感じ、バーリ歌劇場らしさが出ていたのでそれはそれで私は好きでした。
またローマ歌劇場は演出も一流どころで、舞台セットが豪華で大掛かり
また衣装もバレンチノというプレミアつきなのに対し、
バーリ歌劇場は、いつも使っているであろうこじんまりしたセットを持ってきた感じでした。
大掛かりなセットもなく、場面変化は薄い幕に描かれた絵で表現するという簡素なもの。
また、バーリの方もバレエはありましたが、人数が少なく、やはり費用がかかるからではないかと思いす。
とはいえスカラ座の引っ越し公演ならともかく、ローマ歌劇場はちょっと高いなあとは感じました。
衣装もセットも豪華でしたけど、普段のローマ歌劇場ってこんな感じなんだろうか?と。
それに比べて、簡素な演出であったけど、バーリ歌劇場はかなり個性がでていて、おそらく普段もこんな感じで上演しているんだろうなと思いました。
価格的にもお得な上演だったと私は思います。
引っ越し公演で比較しましたけど、
オペラの公演には数千円で見られる安い価格帯のものも実はいろいろあります。
それらのチケットが安い理由は、パンフレットをよく見るとだいたいわかります。
- 場所がメジャーな劇場では無い
- 管弦楽が簡易になっている、無名、場合によってはピアノだけ
- 全部上演するのではなく、抜粋上演になっている
- 演技がない、コンサート形式になっている
- 有名な歌手が出ていない
だいたいそんな感じではないでしょうか。
楽しみたいならいくらのチケットが良いか
ではオペラを楽しみたいならいくらぐらいのチケットで楽しむのがいいのでしょうか。
これはあくまで私の個人的な考えですが、
やっぱりオペラはきちんとした管弦楽ありで、できればコンサート形式ではない正式なものを見たいです。
バレエが有る無しは、オペラによりますが、バレエが入るオペラならプロのバレリーナも欲しいですね。
そうなるとどうしても最低でも1万円前後以上の価格にはなってしまうと思います。
ただ、安い価格だと席は悪くなりますが、日本の劇場の場合、見えない席というのは無いと思うので
そこはありがたいことです。
特に新国立劇場は後ろの方の席でもちゃんと見えますし、
見えにくい席には座布団を置いてくれるなどきめ細かい配慮があり嬉しい限りです。
引っ越し公演なら最低でも1万〜2万円の価格は必要です。
また、日本人主体のオペラ公演なら数千円以上からありますが、
オペラを見始めの場合は、余裕があれば、あまり見えづらい席よりも落ち着いてしっかりと見える、楽しめる席を選んだ方がいいんじゃないかなと思います。
そうするとどうしても1万〜2万円はかかるでしょう。
例えば2019年の5月にモーツァルトのドン・ジョバンニが新国立劇場で上演されました。
主役のうち3人が外国の歌手、それ以外は管弦楽も合唱も日本人というよくあるパターンの上演です。
S席は23760円、D席は4320円
と、価格の幅がかなりあります。
前の方の席が取れるなら4階のC席7560円でもいいと思いますが
D席以下だと必ず後ろの列になりますのでちょっと見づらくなります。
また、私は平土間があまり好きでは無いので、特に好きなオペラの場合でも、A席かB席で探す事が多いです。
すごく余裕があればS席の2階一列目か、平土間後部の一列目かな(なかなか取りにくいですが)
それほど好きでは無いけど見てみよう、という程度の時はなるべく安い席を探します。
そんな感じですね。
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