はじめてのオペラの選び方・知っている曲がたくさんあると楽しい

オペラは敷居が高い太った人が声を張り上げている何を歌っているのかわからない

こんなイメージがある人も、いるのではないでしょうか。

 

ところがオペラの曲って、意外に身近で聞いているものが多いです

数十年オペラを見てきて、感じたことの一つなのですが、

何気なく耳に入ってきていた曲が、実はオペラの一節だったということがかなりあります。

 

実は身近なオペラの曲

 

たとえば運動会の徒競走やリレーの時によく流れている曲があります。

昔のCMでカステラ1番、は2番、3時のおやつは‥というのがありましたがそれに使われていたのも同じ曲です。

おそらく、誰でも聞いたことがある曲なのですが、

これはオッフェンバッハの天国と地獄というオペレッタの中の曲なんですよね。

そのことは意外と知られていないのじゃないかと思います。

オペレッタのおすすめ作品

 

私も知りませんでした。だから、知らずにこのオペレッタを見た時は、あれ?この曲はここから来ていたの?

と驚きでしたね。

 

またお店やマンションの廊下、ホテルや公共の場所などで流れているU線放送ってありますよね。

あれなど、オペラの曲がよく流れているんですね。

 

などなど、おそらくほとんどの人が聞いたことがあるこれらの曲は、全てオペラの中の一節です。

知らないうちに実はオペラに接している人はとても多いんですね。

だからこそオペラはそんなに敷居が高いものじゃないのではないかと思うのです。

 

はじめて見るならどのオペラ?

 

とはいえ実際にはじめてオペラを見るなら、何を選べばいいのか、と言うのはなかなかわからないかもしれません。

そこで、いくつかオペラの演目とその特徴、お勧めしたい理由をあげてみたいと思います。

勧めるポイントは、知っている曲が多く入っている事、

そしてストーリーがわかりやすく、飽きずに最後まで見られる、という事を考えて、選びました。

 

カルメン(ビゼー)

まずはビゼー作曲のカルメン。

カルメンとかドン・ホセと言う名前は聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

お話は、

美しいけど毒のあるカルメンに弄ばれた純情なドン・ホセが、怒りのあまりカルメンを刺し殺してしまうというもの。

時代は違っても今でもありそうな事件ですよね。

 

はじめて見る演目としてカルメンがお勧めな理由は、

誰でも知っている旋律が最もたくさん出てくるオペラだということです。

知っている旋律が流れるというのは楽しいものではないですよね。

 

ほとんどのオペラは幕が上がる前(または上がってから)オーケストラだけの演奏(序曲)がありますが、カルメンの場合、この序曲がもっとも有名かもしれません。

導入の序曲から知っている曲というのは、オペラの世界に入りやすいと思います。

またほかにも誰が聞いてもかっこいい闘牛士の歌や、カルメンのハバネラもとても有名で聞いたことがある曲です。

 

全4幕を通じてハラハラドキドキするストーリーと華やかな音楽は、はじめて見る人でもきっと飽きることがないでしょう。

とはいえ、オペラは通常のコンサートよりはどうしても時間がかかることは覚悟しておいたほうがいいです。

カルメンの場合正味150分の4幕ものですが、3、4幕は続けて上演することが多く、その場合休憩は2回入ります。

オペラの場合は比較的休憩時間を長く取る傾向があるので

 

カーテンコールを入れるとどうしても3時間半くらいはかかるかもしれません。

オペラとしては、普通かなと思いますが、知らずに行くと長いと感じてしまうかもしれません。

 

でもカルメンは人気があるオペラなので、上演される頻度も高いので行きやすいオペラでもありますね。

ビゼー・カルメンの魅力

こうもり(ヨハン・シュトラウス)

 

これはオペレッタなのですが、カルメン同様世界中で上演回数が多い演目です。

おすすめする理由は音楽もさることながら、ストーリーが楽しくて笑いが満載なところ。

 

カルメンほど有名ではないけど、こちらも聞いたことがある曲があること。

シュトラウスらしい聞き覚えのあるワルツもありますし、

またハンガリー調のチャールダーシュも入っていて日本人に人気の音楽です。

 

華やかなパーティーの場面ではプロのバレリーナも登場します。

オペレッタはオペラに比べると軽い演目なので、通常ウィーンだと、フォルクスオーパーのような小さめの劇場で上演されるのですが、

このこうもりに限っては、ウィーンの国立歌劇場でも上演されます。

ウィーンでオペラをみる

しかも必ず大晦日の12月31日はこの演目を上演することになっているんですね。

ストーリーも大晦日の夜の話になっていることが多く、31日の日めくりカレンダーなんかも登場する楽しいオペレッタです。

 

ウィーンの人々にとっては大晦日のこうもりの上演は当たり前のことなんですよね。

そんなオペレッタははじめてみるにはとてもぴったりだと思います。

こうもりの魅力

愛の妙薬(ドニゼッティ)・セビリアの理髪師(ロッシーニ)・フィガロの結婚(モーツァルト)

 

これら3つのオペラは上の二つに比べると、ちょっと難しいかもしれないこと。

はじめて見るならどれも同じくらいかなと思い、3つ並べました。

というのも有名な曲はどれも入っているのですが、絶対誰でも知っているか?というとそうでもないと思うんですよね。

よく音楽家の人の中で当たり前のポピュラーな曲が、音楽と縁がない人にとっては全くポピュラーではなかった、ということがよくあるんですね。

わたしも、昔何度か、音楽家の方に「え!この曲知らないの?嘘でしょ、誰でも知ってますよ」というのはよく言われました。

そんな事言われても知らないし‥

なので、この三つの作品は

仮に知っている曲が全く出てこなくても、楽しめるかなという選曲です。

 

<愛の妙薬>

ストーリーがわかりやすく、ほのぼのとしたラブストーリーで、

綺麗なアリアと、楽しいアリアがあるので、飽きずに見られると思います。

上映時間は正味150分の3幕なので、休憩を入れるとやはり3時間は超えてしまうでしょう。

オペラ愛の妙薬と山路芳久

<フィガロの結婚>

オペラの題名は有名ですね。

あと、恋とはどんなものかしらというアリアが有名なのですが

必ずしも聞きやすいかとそうでもない理由は、長いこととストーリーがちょっと複雑なことです。

全4幕あり、正味170分。

はじめて見るオペラにしてはちょっと長いと思うんですよね。

ただ、モーツァルトなら好き、オペラ以外のものをよく聞いている、という人なら

耳慣れた音楽で聞きやすいかもしれないと思うので、あげてみました。

フィガロの結婚・モーツァルト

<ロッシーニのセビリアの理髪師>

3つの中ではじめてのオペラとして一番おすすめなのは、ロッシーニのセビリアの理髪師でしょう。

何より、全2幕で正味140分短めであることが理由です。

ストーリーは、ドタバタ喜劇のラブストーリーです。

 

実はセビリアの理髪師の続編とも言えるのがフィガロの結婚で同じ登場人物が出てくるのですが、

セビリアはロッシーニの作曲。フィガロはモーツァルト、と作曲者は違うんですね。

この辺もオペラの興味深いところです。

 

セビリアの理髪師はオペラの中でもブッファと呼ばれる喜歌劇の分野にも入るのですが、

喜劇の面が強く、音楽が軽妙で楽しいこと間違いなしです。

ロッシーニはロッシーニクレッシェンドと呼ばれる技法が得意で、

同じフレーズをピアニッシモからクレッシェンドしていくのですが、

とにかく覚えやすくて楽しいオペラですね。

オペラは見たいと思ってもその演目をやっているとは限らないので、はじめて見たいと思った時に、これらの演目があったらぜひ行ってみてもらいたいです。

セビリアの理髪師

 

はじめは避けたほうがよいオペラ

 

オペラを見るにはやはり多少順番があるのではないかと思っています。

どのオペラもそれぞれにとてもいいとはいえ、やはり好みがありますし、最初は好きだったけどそうでもなくなったもの、

逆に最初は嫌いだったけど、今は好き、というオペラもあるからです。

 

ワーグナーのオペラ

 

私の場合は最初は順番も何も考えずに手元にあったオペラを手当たり次第見たのですが、

最初は大嫌いだったのに今は大好きと言うものがあります。

それはワーグナーのオペラです。

はじめて聞いたワーグナーのオペラはタンホイザーというオペラですが

序曲こそ有名ですが、はじめて見た時ははっきり言って苦痛でした。

途切れなくずっと流れ続ける音楽は訳がわからず、一生ワーグナーを聞くことはないだろう、くらいに思っていました。

ところが、今ではワグネリアンとまではいいませんが、もっとも好きなオペラのひとつワーグナーになっています。

不思議ですよね。

私のように変わる人もいるとは思いますが、最初にワーグナーをおすすめしない大きな理由はまず時間がとても長いことです。

 

一番短いワーグナーのオペラはさまよえるオランダ人というオペラですが、それでさえ正味2時間半。

タンホイザーは正味3時間半。

マイスタージンガーというオペラに至っては4時間半です。

お尻が痛くなりますよね。

はじめてオペラに行って嫌いになっては残念なので、あまりおすすめしません。

でも慣れてくると麻薬のように素晴らしいのは間違いありません。

ワーグナーのオペラ

あと、有名だけどちょっと難しいと思うのはヴェルディの椿姫とプッチーニの蝶々夫人です。

 

椿姫と蝶々夫人

 

蝶々夫人はさほど上演回数が多くありませんが、

椿姫は日本人の好みに合っているのか、またかというくらい、上演回数が多い演目だと思います。

バブルがはじけたあと、しばらくオペラの演目はガクッと減りましたが、そんな中でも椿姫だけは上演していたと言うイメージです。

それくらい有名なのですが、このオペラがはじめて見るオペラとしてどうかなと思うと、ちょっと難しいような気がしています。

というのも、一つには正味2時間40分で短くはないこと。

日本の題名は椿姫となっていて、あたかも高貴なお姫様のような題になっていますが、

お話は高級娼婦の物語なんですね。

 

それって時代背景がわかりずらいんじゃないか、はじめてオペラを見て、ストーリーに入っていけるのかなということがちょっと心配です。

そして、このオペラの魅力というのは、難かしいけどとても美しいアリアの数々が、最初から最後まで散りばめられているところだと思うのですが、

はじめて見る時はやっぱり楽しいほうがいいんじゃないかなと思っちゃうわけです。

 

お話はとてもかわいそうで最後は死んじゃいますから。

このオペラは有名だけどとても歌手の力量が問われるオペラだと思うんですね。

だからこそ何回でもいろんな人で見て、楽しめるのかもしれないですけど。

 

蝶々夫人については、日本が舞台となっているプッチーニのオペラなので、良さそうなのですが

最初のオペラとしてはちょっと向いていない気がします。

ある晴れた日、のアリアは有名ですがそれ以外は有名なアリアも特にありませんし、

全体として重いオペラで、曲もストーリーも難しいと思うのです。

題名が知られている割に、日本では上演回数が少ないのは、蝶々夫人を歌える歌手が少ないのではないかと思うくらい

役柄も大変だと思います。

昔、林康子さんという大歌手がこの役をミラノのスカラ座ではじめて日本人として演じて絶賛されていましたが本当に難しい役だと思います。

普通の人なら喉を痛めちゃいそうです。

というわけで蝶々夫人は、いろいろ見てからにした方がいいんじゃないかと思います。

蝶々夫人プッチーニ

子供と行くならどのオペラ?

 

最後に、もしオペラを子供と一緒に見てみたい人がいるのであれば、

おすすめはフンパーディンクのヘンゼルとグレーテルです。

ヨーロッパでは実際子供たちにこのオペラを鑑賞させるのはよくあることです。

お話はグリム童話の一つで、お菓子の家の魔女に捕まってしまうストーリーです。

子供向けとはいえ、音楽は極上の素晴らしさで、私は数あるオペラの中でも大好きな作品の一つです。

それくらい珠玉の美しさだと思っています。

現に世界の有名なオペラ歌手がこの作品を録音していますし、ぜひ子供さんたちにも聞かせてあげたいオペラですね。

ちなみに海外では高校生くらいになると、ベートーベンのフィデリオというオペラを教育の一環として鑑賞させたりしているようですが、

牢屋に入っている夫を助ける妻のストーリーで、かなり重い話です。

高校生ならいいのかもしれませんが、私ならヘンゼルとグレーテルの方をおすすめしたいですね。

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