オペラの時間・4時間を超えるのもあるけど

オペラって時間が長いの?短いの?って気になりませんか。

特にはじめて見るような場合、長いと耐えられるかなあと心配になる人もいるんじゃないかと思います。

そこで今回は、オペラの上演時間は長いのか短いのか、一般的にはどうなのかについて分かりやすく解説してみます。

オペラの上演時間って普通はどれくらい?

演目によりますがだいたい休憩を入れて2時間半〜3時間程度のものが多いと思います。

始まりは19時開始が多いですね。

19時から始まれば→21:30〜22:00頃に終わりということですね。

以前は夜の終わりが夜10時を過ぎてしまった公演もありましたが、最近は劇場の終了時間が決まっているのか、遅くなっても夜10時までには終わってくれます。

これは観に行く方としても電車の都合もあるので助かります。

時間が長い演目の場合、開始を繰り上げて18時とか18時半にしていますね。

土日や平日マチネの場合は14時開演とか15時開演が多いです。

ではオペラの人気演目の上演時間ってどれくらいかというと

※時間に休憩時間は含まれていないです。

これらの時間を見てわかると思いますがモーツァルトのフィガロの結婚は意外に長いですよね。

休憩を入れると3時間半程度はかかってしまいます。

ちなみに2021年に新国立劇場でフィガロの結婚公演がありますが

開始が18:30分、上演時間3時間15分(休憩含む)となっています。

フィガロの結婚は4幕までありますが、各幕ごとに休憩を入れていたら3時間15分で終わらないと思うので、どこかの幕をくっつけて、おそらく休憩は1回か2回に減らすのではないかと思います。

それ以外のオペラはだいたい正味2時間から2時間半程度です。

オーケストラのみの公演よりはやはり若干長めかなと思います。

かつてオペラが貴族の娯楽だった頃はおそらく各幕ごとに必ず休憩を取っていたのではないかと思います。

でも現代の私たちは貴族ではないし、私もそうですが仕事終わりに観に行く人も多いからか、休憩は少なめにし、上演時間を短縮してくれているようです。

特に昨今はその傾向が強くなったような気がしています。

終わりがだいたい10時までに終わってくれるのはほんとありがたいなと、感じています。

主催者側も、場合によっては3幕のうちの2幕を無理やり前後に分けて、休憩を2回→1回にしたり

工夫しているのかなと思いますね。

ちなみに休憩時間は長い時で30分、多いのは20分程度で短い時は15分。

時には席に座ったまま、舞台セットがごとごと変わるのをしばし待つ、というような時もあります。

時間が長いオペラの筆頭はワーグナー・なんと4時間超も!

そんな中、やはり上演時間が長いオペラもあります。

その筆頭がワーグナーのオペラ

なんとワーグナーのオペラには4時間を超える演目がいくつもあります。

しかもこれって休憩を入れずに4時間超なんですから、信じられないですよね。

オペラは難しいとか敷居が高いと言われる理由の一つはワーグナーのように長時間のオペラがあるからという理由もあるのでは?。

長いので残念ながら最初に見るオペラとしてはお勧めしない方がよいかも。

ところがそんな長時間オペラなのにワーグナーは人気があるから不思議

かくいう私も長いからお尻は痛くなるけどワーグナーは好きです。

以前、ワーグナーの神々の黄昏というオペラをみた時は、確か夕方4時に始まって→終わったのは夜の10時頃だったと思います。

カーテンコールも入れてですけど。

すごいですよね、どれだけ長時間劇場に居たの?!という感じ(笑)

そんなワーグナーのオペラの上演時間はどんな感じかというと

という感じです。

実は私の中ではニュルンベルクのマイスタージンガーが一番長いと思っていたんですけど

神々の黄昏の方が長かったのねと、自分で書いていて発見!

感動したけどそこまで長さは感じなかったですね。(公演にもよると思いますが‥)

いずれにしても、ワーグナーのオペラ=時間が長い

と思っていた方がいいと思います。

この中でさまよえるオランダ人は2時間10分なので、ワーグナーの中では普通の時間なんですよね

そのため、さまよえるオランダ人を観に行くと「ワッ、短い!」と感じちゃいます。

あともう一つ注目したいのがラインの黄金という演目。

これは比較的ワーグナーの中では短く、2時間30分ですが、なんと1幕物。

1幕でこの時間のオペラは私が知る限りおそらくこれだけじゃないかと思います。

それでもファンが多いんですから、恐るべしワーグナー!ですね。

グランドオペラ系も時間が長い

時間が長いオペラは他にもあります。

それはフランスのグランドオペラ系のもの。

グランドオペラって19世紀の前半頃にはやったオペラのスタイルで、

場所はパリのオペラ座。通常5幕まであって必ずバレエが入り、

スペクタクル性がある

というような特徴があります。

のちに廃れていくんですが、グランドオペラが流行した当時は

フランスの作曲家だけでなく、イタリアの著名作曲家もフランスに呼ばれてグランドオペラ風の作品を作りました。

それらの作品はやはり時間も長めです。(ワーグナーのように4時間を超える物は少ないけど)

現在も上演されているのは以下のような作品です。

  • 悪魔のロベール(仏マイアベーア)1831年 <5幕>約3時間
  • ユグノー教徒(仏マイアベーア)1836年  <5幕>約3時間45分
  • ユダヤの女(仏アレヴィ)1835年     <5幕>約3時間30分
  • トロイ人(仏ベルリオーズ)1863年(1890)<5幕>約4時間
  • ファウスト(仏グノー)1859年       <5幕>約3時間
  • ウィリアム・テル(伊ロッシーニ) 1829年  <4幕>約3時間30分
  • シチリア島の夕べ(伊ヴェルディ)1855年   <5幕>約3時間15分
  • ドン・カルロ(伊ヴェルディ)1867年     <5幕>約3時間10分

※時間は休憩をのぞいた時間です。

伊=イタリア 、仏=フランスです。

イタリアの作曲家もグランドオペラを作るときは時間の長い作品になっていたみたいです。

ちなみにドニゼッティもパリオペラ座のためにグランドオペラを作っていてそれは

  • ラ・ファヴォリータ(伊ドニゼッティ)1840年 <4幕>約2時間10分
  • ドン・セバスチャン(伊ドニゼッティ)1843年 <5幕>約2時間30分

など。この時間を見てわかるようにドニゼッティはグランドオペラを作ってもあまり時間は長くないんですよね。

どうしてなのかはわからないです。

いずれにしてもグランドオペラ系はちょっと時間が長めで、かつワーグナーほどはファンがいないからか

上演されることが少ないのがちょっと残念。

一方1幕の短いオペラもありますけど、それはまた別に書きます。

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