オテロ・ヴェルディ74歳の作品はカーテンコールが20回も

オテロは一旦隠遁生活をしていたヴェルディが、16年ぶりに作曲したオペラです。

ヴェルディの最後のオペラはファルスタッフですが、

その一つ前に作ったのがオテロ。

初演はヴェルディが74歳の時です。

久しぶりの公園は20回以上のカーテンコールがあったのだとか。すごい数ですよね。

 

16年ぶりのオペラ

 

ヴェルディがカイロの依頼でアイーダを作曲し、初演したのは58歳の時でしたが

それ以後しばらくヴェルディは新たなオペラを作曲していませんでした。

ところが70歳から再びオペラの作曲を再開したのです。

それは、オテロの台本を手がけたアルリーゴ・ボーイトという人の働きかけが大きかったようです。

というとアルリーゴ・ボーイトとヴェルディの信頼関係がかなり強かったのかと思うのですが、

必ずしもそういうわけではないようなんですね。

というのもボーイトという人は、もともと作家だけを目指していたわけではなく、自身でも作曲をしていました。

「メフィストフェーレ」「ネローネ」と言った作品もちゃんと残っています。

ボーイトとヴェルディは30歳近くも年が離れている(ボーイトの方が若い)のですが

ボーイトは若い頃、ヴェルディの音楽を批判していた時期がありました。

ボーイトはどちらかというとワーグナーの音楽に傾倒しており、自身の音楽もワーグナーっぽい音楽なので

路線もちがっていたのでしょう。

そのため信頼関係どころが関係が悪かったんですね。

 

シモン・ボッカネグラの改定

 

ヴェルディは1857年、44歳の時シモン・ボッカネグラというオペラを初演しています。

場所はヴェネチアのフェニーチェ歌劇場です。

ところがこのオペラは残念ながら失敗

実はヴェルディはさかのぼる4年前にも同じくフェニーチェ歌劇場椿姫の初演で失敗しているのでまた,という感じだったのではないでしょうか。

必ずしもフェニーチェ歌劇場と相性が悪いわけではなく、その前にはリゴレットでは大成功していますが

椿姫と、シモン・ボッカネグラの2作については残念な結果になってしまっていたんですね。

もっとも椿姫はその後人気が出ますが、シモン・ボッカネグラの方はしばらく憂き目を見ていたオペラだったわけです。

ただ、このオペラについてはヴェルディも思い入れがあったようで、その後改定を加えることで成功させているんですね。

その改定に協力したのがアルリーゴ・ボーイトだったのです。

初演から24年もあとのことで、今度の場所はミラノのスカラ座でした。

ヴェルディが68歳の時のことです。

そしてその時は大成功だったんですね。

その成功により、ヴェルディの中でボーイトに対する信頼は大きく上がっていたのでしょう。

ボーイトやその周辺の人たちの勧めでヴェルディが再び作曲することになったのが「オテロ」だったんですね。

 

オテロの初演と見どころ

 

初演

オテロの初演は1887年、ミラノのスカラ座です。

ヴェルディが74歳の時。

そして大成功に終わりました。

オテロはシェークスピアの四大悲劇の一つで、オペラではロッシーニもオテロを作曲していますが、ヴェルディのオテロ方が有名ですね。

すでに大作曲家だったヴェルディが久しぶりに作曲したのですから当時のフィーバーぶりはさぞかしすごかったのではないかと思います。

初演のチケットはさぞかし取りにくかっただろうと。

初演は20回にも及ぶカーテンコールがあったと言いますから、終わった後の観客の熱狂ぶりはすごかったのでしょうね。

またその後次々とヨーロッパ、アメリカで上演されていることからもわかります。

初演でタイトルロールのオテロを歌ったのは、フランチェスコ・タマーニョというイタリアの歌手でした。

彼は、シモン・ボッカネグラの改訂版初演でも歌っており

シモン・ボッカネグラを大成功に導いた立役者の一人です。

だからこそヴェルディはオテロも彼に託したというところだったのではないでしょうか。

作曲と台本だけでなく歌手の存在、そしてオーケストラ、指揮者と、

オペラには様々な要素がそろってはじめて成功になると、改めて感じます。

 

見どころ

オテロの設定はキプロス島の港です。

キプロス島は地中海の島の一つで、地中海の中でも最も東の方にあります。

現在のトルコの下。シリアの西のあたりにある島で、舞台となった15世紀当時は

ヴェネチア共和国の支配下にあったところなんですね。

なので、タイトルロールのオテロもヴェネチアの軍人という設定なのです。

ただし、オテロはアフリカのムーア人でもあります。

なので、通常オテロでは顔を少し黒くしています。

ヴェルディのアイーダもエジプトとエチオピアのストーリーなので同様ですね。

また、音楽とドラマが融合しているので独立したアリアはほとんどなく、

またボーイトのストーリーは、はらはらとさせられる内容で、全体が見どころと言っていいでしょう。

タイトルロールのオテロはヴェルディの中でも特に重厚で強いテノールの声が求められる役柄で

バイロイトに出演するワーグナー歌手が歌うこともあるほどです。

たいしてあらぬ不貞の疑いをかけられるデズデモーナ清らかでかわいそうな女性。

曇りのない清楚な役柄なので、デズデモーナはやはり見た目も所作も声も美しさを求めたくなってしまいます。

それだけ難しい役どころだと思いますが、見どころでもあると思います。

主役はオテロですが、デズデモーナはどんな人がやるのかなというのが一番気になるところで見どころです。

そしてイアーゴの悪さも見どころの一つ。

イアーゴって悪い奴なんですよねー。

でもそれがオペラのおもしろさでもあるので、悪役ぶりも見どころです。

オテロや、最後の作品であるファルスタッフは、ヴェルディの集大成作品と言われたりしますが、

個人的にはイル・トロヴァトーレリゴレットあたりのヴェルディや

グランドオペラになったドン・カルロのころの方が劇的で、実はより好きなんですよね。

でもオペラの好みは変わっていくので、数年後にはやっぱりオテロが一番、となっている可能性はありますね。

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