ミュージカルは好きだけどオペレッタは見たことがない。
オペレッタも見てみたいけど、何を見れば良いのかわからないという人のために
今回はおすすめのオペレッタをご紹介してみたいと思います。
私がお勧めする主な演目は4つです。
- こうもり
- 天国と地獄
- チャールダーシュの女王
- メリーウィドウ
こうもり・ヨハン・シュトラウス作曲
おすすめのオペレッタで最初にあげたいのは
ヨハン・シュトラウス作曲の「こうもり」です。
ヨハン・シュトラウスと言えば、ウィーン、そしてワルツが浮かびませんか。
ヨハン・シュトラウスはワルツ王とも呼ばれているんですね。
ウィーンの市立公園という大きな公園に行くと、数々の音楽家の銅像があるのですが、
中でも一番大きく、全身像で金ピカに立っているのが、ヨハンシュトラウスの全身像です。
ウィーンのアイコン的な感じで登場する像ですが、実際にこのヨハン・シュトラウス像を見に行くと
「あれ!これ?」と若干ですが、しょぼい感はあります。まあそもそも公園の銅像ですから、そんなもんですよね。
さて、ウィーンにワルツを広めたのはシュトラウス一族といわれていますが
ウィーンの街を歩くと今でもあちこちに音楽が聞かれます。
さすが音楽の街だねー、と思いますね。
そんなヨハン・シュトラウスが作ったオペレッタは、ウィンナーワルツが満載のおすすめのオペレッタです。
毎年お正月には、ウィーンの学友協会というコンサートホールで
ニューイヤーコンサートが開催されますが、その時に演奏されるのはシュトラウス一族の曲が多いです。
また、このコンサートの指揮者として呼ばれることは、世界の注目の的で栄誉なことなのですが、
日本の小沢征爾さんも何年か前に指揮をされていますよね、すごい!。
その際はずいぶんニュースになりました。
また、そのコンサートの最後には有名なラデツキー行進曲を拍手とともにやるのはお決まりになっていて
このラデツキー行進曲を作曲したのは、父親であるヨハン・シュトラウス1世です。
そして、オペレッタこうもりを作曲したのはその息子のヨハン・シュトラウス2世と呼ばれる人なのですね。
ヨハン・シュトラウスと呼ばれる人は、1世も3世もいるので、ちょっとまぎらわしいのですが、
もっとも有名なのは今回おすすめのオペレッタ「こうもり」を作曲した2世です。
こうもりについては
もよければどうぞ。
ストーリーがわかりやすく、バレエもワルツもある楽しいオペレッタなのでおすすめです。
そしてこうもりのおすすめのもう一つの理由は
楽しいオペレッタなのに、かなり高度な歌唱技術も要すること、
音楽的にも充実した見応えのある作品だという点でもおすすめしたいです。
軽すぎないので、重厚なオペラが好きというオペラファンにもおすすめのオペレッタだと思います。
オペラファンの中には、オペレッタはあまり見ないという人もいると思いますが
そんな人でもこうもりだけは見る、という人が多いようです。
ちょっと別格なんですよね。
といのもウィーンでもっとも有名な歌劇場はウィーン国立歌劇場なのですが、
実はウィーンの国立歌劇場は基本的にはオペラはやるけどオペレッタはやらないという慣習がありました。
ところが、例外的にこうもりだけは上演してきたのです。
それをみても、こうもりの作品のレベルの高さがわかると思います。
こうもりは初めて見るにおすすめのオペレッタで、また、何度でも観たいオペレッタですね。
オッフェンバックの天国と地獄
少し前にオッフェンバックの、ホフマン物語を見てきました。
ホフマン物語もおもしろい作品なのですがオペレッタではないです。
オッフェンバックの作品で、もっともおすすめしたいのはオペレッタ天国と地獄です。
このオペレッタは、はっきり言ってしまうと
- はっちゃけた内容
- いいのこれ?というパクリあり
- ふざけすぎでしょ!
と思ってしまう内容なんですね(笑)。
初めて見た人はおそらく、クラシックってこういう感じだったのかと意外に思うのではないでしょうか。
不倫あり、夫婦喧嘩あり、キューピットは朝帰りするし、
天国の神も、地獄の王も住人達もみんな適当な人ばかり。
何より世論という役があってなにそれ、と思います。
それがまた楽しいのでおすすめなんですよね。
妻が死んで地獄に行ったので、せいせいしている夫に対して、連れ帰るべきだとごもっともな忠告をするのが世論なのです。
このオペレッタは実はまじめにいえば「風刺」で、社会背景もあるのですが、普通に見ればドタバタ劇なんですね。
もとは、神話のオルフェウスの伝説の話なのですが、それのパロディ版オペレッタとでもいったら良いかと思います。
同じ題材でまじめなオペラもあります。
それはグルックの「オルフェオとエウリディーチェ」やモンテヴェルディの「オルフェオ」などです。
この天国と地獄は、ぜひ一度は見るべきじゃないかと思うおすすめのオペレッタです。
というのも、地獄の大宴会のシーンで流れるフレンチカンカンの曲と踊りは、理屈抜きに楽しいからです。
昔、日劇ダンシングチームも踊っていましたので、記憶にある方もいらっしゃると思います
理屈抜きで楽しめるおすすめオペレッタではないかないかと思います。
チャールダーシュの女王・カールマン作曲
次におすすめするのは、カールマン作曲のチャールダーシュの女王です。
作曲したカールマンという人は、出身がハンガリーです。
ハンガリーという国にはチャールダーシュという音楽があって、
チャールダは居酒屋という意味。
短調でゆっくりした旋律から、長調の速い部分になっていくというその緩急が魅力のエキゾチックな音楽です。
私はチャールダーシュが好きなんですよね。
ハンガリーの曲は日本でもハンガリー舞曲やハンガリー田園協奏曲など人気の曲が多いです。
ハンガリーの曲っていうのはなぜか日本人の郷愁をそそる音楽なんだと思うんですよね。
演歌に近いような感じでしょうか。
だから日本人にはおすすめのオペレッタです。
ウィーンのワルツはおしゃれなちょっと気取った曲、
ハンガリーの曲は、もの悲しさあり・お涙ちょうだいあり・だけど元気、
という庶民のノリの音楽だと思います。
その中でもチャールダーシュという音楽は、特に血が騒ぐ音楽ですね。緩急がなんとも言えない。
ぜひたくさんの方におすすめしたいです。
最初のオペレッタ、「こうもり」の中にもハンガリー夫人に化けたロザリンデが歌うのがチャールダーシュ調のアリアがあり、「こうもり」の見せ場の一つです。
作曲したカールマンはキャバレーソング制作からオペレッタに行っただけあって
こういう音楽がうまいのでしょう。
ストーリーも、キャバレーのようなお店の歌手が主人公になっていますしね。
実はこのオペレッタが日本に入ってきたのは比較的最近のことで、1980頃からなんです。
なので、オペラの古めの本にはカールマンという存在すらまだなかったりするんですよね。
日本でのオペラや、オペレッタの発達はまだまだこれからで、オペレッタの楽しさがわかってくると
もっともっと知られていないオペレッタも上演されるようになるのではないかと、
私は楽しみにしています。
誰が見てもわかりやすくて、ちょっとふざけていて、楽しめるおすすめのオペレッタです。
私は初めてこのオペレッタを観て、すぐにカールマンという作曲家が好きになりましたね。
他にマリツァ夫人というオペレッタもありますが、
こちらもいかにもカールマンだなという曲です。
聴けばすぐわかる音楽、という感じですね。
軽快な音楽に加え、落ちが意外で笑えるところもおすすめの理由です。
また主人公は歌姫シルヴァとお坊っちゃまのエドウィンですが、
このオペレッタの鍵は、友人ボニーの演技とダンスかなと思います。
このオペレッタには、とりわけ歌って踊れて演技がうまい歌手が必要だと思います。
二組のカップルの恋愛の行方は?、という楽しいラブコメディーです。
このおすすめのオペレッタをぜひ観に行ってもらいたいものです。
レハールのメリーウィドウ
レハール作曲のメリーウィドウ(陽気な未亡人)は
ヨハン・シュトラウスのこうもりにつぐオペレッタの代表作品でしょう。
部分的にもしばしば単独で歌われているオペレッタです。
オペレッタを上演しない劇場でもこうもりだけは上演されていると、上に書きましたが、
最近それにプラス、このメリーウィドウも上演されるようになってきていることからも
オペレッタメリーウィドウの質の高さがわかると思います。
レハールという作曲家は、チャールダーシュの女王のカールマンと同様、ハンガリーからウィーンに行った人なのですが、
曲調はまったく異なり、おとなしく上品なウィーン風の曲です。
カールマンの方がハンガリー色がかなり強いですね。
そのため、レハール派とカールマン派で、好みが若干分かれるのではないかと思いますが
ぜひレハールのメリーウィドウもおすすめしたいです。
どちらも聴いてみて、違いを感じるのも楽しいと思いますよ。
レハールは他にも「ほほえみの国」というオペレッタを書いています。
題名だけ見ると舞台はタイかなと思うのですが、
実際のところは中国で、中国の男性を好きになるという設定です。
感情を出さずに微笑むというところは、日本人には当てはまる部分もあると思いますが
おそらく当時は、ヨーロッパから見ると東洋人は全部同じイメージだったのでしょうね。
レハールのオペレッタは、ほんわかした音楽のオペレッタです。
音楽が美しいので、こちらもおすすめのオペレッタですね。
サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の国立歌劇場です
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