オペラ公演情報2018秋-2019夏

2018年秋~2019年夏のオペラ公演の情報をまとめてみました。

2019年秋〜2020年夏の公演一覧はこちらをどうぞ

オペラのシーズンは劇場にもよりますが、秋が開始で〜翌年の夏前までというところが多いです。

日本のオペラ公演の歴史はまだそれほど長くないので、

ヨーロッパほど公演の回数も多くありませんし、演目も少な目なのですが

それでも最近は、ヨーロッパのように秋から翌年の夏までをシーズンとして

オペラのスケジュールを立てる傾向にあるので、このサイトも秋から区切って一年としてみました。

 

さて、日本では主なオペラを主催したり海外から招集している

主な主催者は以下のような団体です。

  • 新国立劇場
  • 二期会
  • 藤原歌劇団
  • NBS日本舞台芸術振興会
  • ジャパンアーツ
  • コンサートドアーズ
  • その他

小さな劇場での公演や、ピアノのみ使う公演などは他にもありますが、

以下に載せたのは主なものです。

今回はこれらの団体の、2018年から2019年にかけてのオペラ公演と、その見どころをまとめてみました。

 

新国立劇場のオペラ公演

 

新国立劇場のオペラ公演は、最もヨーロッパのオペラ公演のやり方に似た形式で開催していると思います。

シーズンは10月から始まり翌年の6月までとなっており、2018年のはじめごろには、2018年の秋以降のシーズンの予定ができており、

どんな演目のオペラ公演があるのか、誰が歌うのかなどがわかります。

シーズン中のオペラの料金もわかっているので、観る側も予算が立てやすいです。

 

新国立劇場の特徴

主要キャストの多くが外国からの招聘した歌手

その他の歌手、管弦楽、バレエなどは日本人です。

なお、オペラ公演は下に書いてある日にちの間、毎日公演があるわけではありません

だいたい4~6回です。

 

 

※上記の公演の場所は、すべて新国立劇場です。

オペラの食事と休憩時間の過ごし方(新国立劇場)

新国立劇場のもう一つの特徴として、

日本のオペラを入れているところで上の一覧を見ても紫苑物語が入っていますよね。

日本の国立歌劇場ならでは、というところですね。

 

それ以外のオペラについては、ポピュラーな演目である

魔笛カルメン蝶々夫人をいれるとともに

ちょっと難しいオペラや、あまり上演されないオペラも入っていて、

オペラファンにとっては、楽しめる公演スケジュールになっています。

個人的には、マスネのウェルテルと、ヴェルディのファルスタッフが楽しみですね。

 

また、新国立劇場ではイタリアオペラ、ドイツオペラ、フランスオペラ、をバランスよく入れている感じがします。

ヴェルディワーグナーは外せないので、やはり、必ず1曲は入れていますね。

ヴェルディについては、昨シーズンは椿姫アイーダという有名どころを2本上演していましたが、

今回はちょっとマニアックな演目で、ファルスタッフになっていて、おもしろいと思います。

楽しみです。

トゥーランドットについては新国立劇場と全く同じメンバーで

夏の祭典と称して東京文化会館でも上演されます。

これは珍しい試みだと思いますが、最近は新国立劇場の合唱団と藤原歌劇団の合唱団が一緒に舞台に立ったりもしており、日本のオペラ会も垣根を超えて良いものを作る方向なのかなと勝手に思っています。

座席の取り方おすすめ(新国立劇場)

 

二期会2018のオペラ公演

 

二期会の場合は管弦楽がプロのオーケストラで、舞台もセットもある正式なオペラと、

短いハイライト版、演奏会形式のオペラ、アマチュアのオーケストラのオペラ、

その他の簡易版のオペラなど、様々な形式のオペラ公演がありますが、

 

二期会の特徴としては、歌手をはじめすべて日本人であることです。

(演出、指揮などは異なる場合があります)

 

シーズン期間については、新国立劇場のようにははっきりとしていないようですが、だいたい2ヵ月に一度のオペラ公演がありますね。

 

エロディアードはセミステージ形式ということです。大掛かりな舞台セットはないけど何かしらがあり、立って歌うだけではないということだと思います。

二期会の公演の場所はいろいろです。

余談ですが、私は一度だけ場所を間違えてしまったことがあります。

場所は確認しましょう(笑)。

ちなみにその時は、間に合いませんでしたが序曲が終わった後に端の方に入れてもらえました。

 

二期会のオペラ公演を見ると、こちらも意気込みを感じるプログラムで楽しみです。

魔弾の射手序曲が有名な割には、それほどオペラの上演はされていませんし、

後宮からの逃走、有名なアリアこそ無いのですが、ドイツオペラ史にとっては重要な演目なので見逃せない作品です。

 

後宮からの逃走はストーリーは、軽めですが魔笛と同じくドイツ語で、ジングシュピール形式です。

一度生で聴いてみたいと思っていたオペラなので、これも楽しみですね。→「後宮からの逃走」のレビューはこちら

 

ヘンデルのアルチーナは魔女が出てくる幻想的なオペラですが、

かなり時間が長く、休憩を入れなくても3時間弱になると思いますので、全曲やるのかなと

そのあたりも興味があるところですね。→アルチーナのレビューはこちら

 

プッチーニの三部作はまとめてみたことがありません、3部まとめてやると、休憩を入れずに3時間かかると思うので、

こちらも体力をつけて、頑張って見ないといけないですね。

新国立劇場は休憩時間を過ごしやすい会場なので、まあ大丈夫かなとは思いますけど。

 

 

藤原歌劇団のオペラ公演

 

藤原歌劇団といえば、昭和初期に藤原義江さんというテノール歌手が開設した楽団です。

少し年配の方なら、藤原義江さんの素晴らしい歌声とそれはそれはかっこいい姿を記憶されていることだと思います。

日本の草分け的歌劇団ですよね。

二期会と同様、基本的に日本人で行うオペラ公演です。

藤原歌劇団については、2018年4月以降のオペラ公演についてあげてみました。

 

  • 2018年 4月28 日〜29日 ロッシーニ作曲 オペラ公演「ラ・チェネレントラ」
    テアトロ・ジーリオ・ショウワにて
  • 2018年 6月30日〜7月3日&7月7日 モーツァルト作曲 オペラ公演「ドン・ジョバンニ」
    日生劇場&横須賀芸術劇場にて
  • 2019年 1月25日〜27日 ヴェルディ作曲 オペラ公演「ラ・トラヴィアータ」
    東京文化会館にて
  • 2019年 3月2日〜3日   三木稔 作曲 オペラ公演「静と義経」
    新宿文化センターにて
  • 2019年 3月27日 メルカダンテ作曲 オペラ公演「フランチェスカ・ダ・リミニ」テアトロ・ジーリオ・ショウワにて フランチェスカ・ダ・リミニの公式ページはこちら
  • 2019年4月27日〜28日 プッチーニ作曲 オペラ公演「蝶々夫人」テアトロ・ジーリオ・ショウワにて 藤原歌劇団蝶々夫人の公式ページはこち
  • 2019年 6月29〜30日 ドニゼッティ作曲 オペラ公演「愛の妙薬」日生劇場にて 公式ページはこちら

 

ラ・チェネレントラは、シンデレラのことです。

シンデレラを題材にしたオペラはいくつかありますが、オペラの世界ではどれもそれほどまでポピュラーではありません。

中で、比較的ポピュラーなのがこのロッシーニのチェネレントラでしょう。

いかにもソプラノのレパートリーかと思いきや、チェネレントラはメゾソプラノがやるんですよね。

DVDはありますが、そんなに上演回数は多くはない演目なので、見てみたいのですが、

場所が遠いので今回は諦めました。

 

場所はテアトロ・ジーリオ・ショウワは昭和音楽大学のホールで、収容人数が1300人程度で、

こじんまりとしたオペラハウスはチェネレントラのようなオペラにはぴったりだと思います。

馬蹄形という日本では珍しいホールなので、ホールも見てみたかったのですが、場所が新百合ケ丘と、

都心から若干離れるので、埼玉や、千葉方面から行くのはなかなか厳しい場所かもしれません。

でもいずれ行ってみたいですね。

 

ラ・トラヴィアータは、椿姫のこと。

藤原歌劇団はラ・トラヴィアータのオペラ公演はコンスタントに上演しているというイメージです。

なぜ毎年必ずやるのかなと不思議なのですが‥。

今シーズンはローマ歌劇場も椿姫を、引越し公演をするのでここはダブりになっちゃいました。(チケット代が全然違いますが‥)

 

引っ越し公演・NBSとジャパアーツ・コンサートドアーズ

 

最後に海外のオペラを招致する引っ越し公演についてです。

引っ越し公演は海外のオペラハウスからごっそり引っ越しして来て公演をするため、

主催するのはとても大変で費用もかかります。

 

日本では主に、NBS日本舞台芸術振興会とジャパンアーツ、コンサートドアーズが手がけています。

 

NBSのオペラ引っ越し公演

 

NBSの特徴は、有名どころのオペラハウスを招致していることです。

これまでに、ミラノスカラ座やバイエルン国立歌劇場といった、世界でも超有名どころのオペラハウスを招致しています。

そのため、NBSのオペラのチケット代はオペラ公演の中でも

もっとも高額になると言っていいでしょう。

オペラ席主とチケットの値段

 

2018年のNBSの海外からの引っ越し公演はローマ歌劇場のオペラ公演です。

今回はローマ歌劇場からは2つの演目のオペラ公演がありました。

 

 

やはりイタリアといえば、ヴェルディとプッチーニ

ローマ歌劇場はプッチーニのトスカを初演しているところでもありますが

それほどポピュラーではないマノン・レスコーの方を選んだのは、ちょっと意外でしたが、

私としては嬉しいです。

トスカは何年か前に来日した際に取り上げているようなので、今回は、マノン・レスコー二したというところでしょうね。

 

NBSの特徴は、海外のオペラ海外のバレエの招致しているところです。

特にバレエの公演が多いですね

今年のNBSのオペラはローマ歌劇場のみです。

 

ローマ歌劇場は、歴史のあるオペラハウスではありますが、

数年前にゴタゴタがあって、消滅の危機もあった劇場なんですね。

一流のオペラハウスよりは、ちょっとだけ格が落ちるのかな、というイメージですが、

それでもリッカルド・ムーティ一が一時期、指揮者としてが支えていた劇場なので、2018年の公演がとても楽しみです。

ローマの歌劇場その特徴

NBSのもう一つの特徴は、上演する場所です。

NBSのオペラ公演は新国立劇場では上演されないんですよね。

 

新国立劇場ができる際に、収容人数を多くするか少なくするかでは色々揉めたみたいですが、

引っ越し公演には費用がかかるので、収容人数が少ないオペラハウスだと採算が難しいようです。

新国立劇場はとても見やすい劇場で好きなのですが、1800人程度しか入れないため

NBSは使わなくなりました。これについてはちょっと残念です。

 

NBSの公演はだいたい、NHKホールとか、東京文化会館など大きめのホールでいつも上演されますね。

 

と、そんな風にいろいろとオペラ上演に際しては、

主催者側のふところ事情もあるとは思いますが、個人的には今回の公演で

NHKホールを使っていないのは嬉しいところです。

NHKホールは広すぎて(3800人収容)、申し訳ないけどオペラを見るには

どうなのかなといつも思っていたので‥。

 

今回は東京文化会館(2300人)なので、よかった‥と。

歌劇場の形式

またNBSの公演は今回神奈川県でもありますが、

神奈川には、横須賀芸術劇場という立派なオペラハウスがあり、

こちらは2000人収容できます。

でも神奈川県民ホール(約2500人収容)の方を使っているのは

収容人数のことや、交通の便など、やはりいろいろあったのかなと、勝手に想像しています。

 

 

ジャパンアーツのオペラ・引っ越し公演

 

ジャパンアーツのオペラ引っ越し公演についてです。

 

ジャパンアーツはオペラ公演というよりは、海外のオーケストラの招致に力をいれている団体です。

 

そのためオペラ公演は少なく2018年はブルガリア国立歌劇場だけですね。

ジャパンアーツは、以前もこのブルガリア国立歌劇場を招致しており、

そこそこお客さんも入っているので、度々呼んでいるんでしょうか。

 

ブルガリア国立歌劇場の公演は

  • 2018年 10月5日〜6日 ビゼー作曲 オペラ公演 「カルメン」 東京文化会館にて
  • 2018年 10月8日 プッチーニ作曲 オペラ公演 「トゥーランドット」 東京文化会館にて

 

ジャパンアーツの引っ越し公演の特徴は、引っ越し公演なのに値段が安めということです。

S席でも20,000円程度。

これは新国立劇場のオペラより、公演によっては安い値段です。

安い理由は、招致している劇場がヨーロッパの超一流歌劇場ではないので、安いということもあるでしょうが

以前見に行った限りでは、期待していなかった舞台セットもかなり豪華で、見劣りせず、歌手のレベルも高く

とても満足の内容でした。

引っ越し公演としては、お買い得なチケットではないかと思います。

 

コンサートドアーズの引っ越し公演

コンサートドアーズもジャパンアーツ同様、オペラとオーケストラなどのコンサートの招致をしている会社です。

  • 2019年1月 プラハ国立歌劇場 モーツァルト作曲「フィガロの結婚」東京文化会館にて
  • 2019年6月ボローニャ歌劇場 ロッシーニ作曲「セヴィリアの理髪師」オーチャードホール、神奈川県民ホールにて
  • 2019年6月ボローニャ歌劇場 ヴェルディ作曲「リゴレット」オーチャードホールにて

コンサートドアーズの海外引っ越し公演も、ジャパンアーツと同様

NBSに比べると、チケットが少しだけ安め。

それでもS席は2万から3万しますから、決して安くはないのですが‥。

コンサートドアーズが招致するオペラは、私にとってはかなり魅力的です。

プラハ国立歌劇場は、日本人にとってはあまり馴染みがない歌劇場かもしれませんが、

モーツァルトとはとても縁が深い歌劇場で、特に「フィガロの結婚」については、

最初に大成功をもたらした場所でもあります。

今回の演目として「フィガロの結婚」を持ってきたのは、やっぱりそうだよねというところかなと。

モーツァルトを得意とするプラハ歌劇場のフィガロの結婚はどんな上演になるか楽しみですね。→プラハ歌劇場フィガロの結婚レビューはこちら

 

 

また、ボローニャ歌劇場といえばイタリアなのにドイツオペラにも力を入れている歌劇場という印象があります。

イタリアはとかくイタリアが一番、上演演目もイタリアものが圧倒的に多いという歌劇場が多いと思います。

しかもその傾向がとても強かった18世紀からすでにワーグナーを積極的に取り込んでいたのは、素晴らしいなと思うのです。

ボローニャのかつての劇場にはワーグナーとヴェルディの像があったと言いますから(現在は残念ながら不明)そのことだけとってもわかりますよね。

そんなわけで個人的にもとても見てみたい歌劇場です。

 

その他の公演

 

最後にその他、海外ではよく上演されているけど日本ではあまり馴染みが無いオペラ公演もあります。

また東京・春・音楽祭という催しもありますね。2019年春は

 

毎年この時期に開催されるラ・フォル・ジュルネという催しのひとつ。家族で楽しめる音楽の祭典で一度は行ってみる価値ありです。今年はモーツァルトのオペラ「後宮からの誘拐」を上演。ピアノ伴奏ながら本格的な衣装と歌で値段もお手頃(3000円〜3500円)。
公式ページはこちら

 

  • カヴァレリア・ルスチカーナ2019年5月17、18日
    このオペラは1幕もので短いので、通常は別のオペラと2本立てでやることが多いのですが、今回はピアノ協奏曲との組み合わせというところが珍しい。場所はサントリーホールでコンサート形式。サントゥッツァ役は清水華澄さん。(S席8000円、P席4000円)
    公式ページはこちら

 

子供と行けるオペラですが、実は内容大人がしっかりと楽しめるという実は高度なオペラ。知らないうちに楽しく良いものに触れられるチャンスかも。(S席9000円〜B席5000円、学生は3000円、小中はさらに安いです)

 

 

など。

こじんまりした上演は他にもたくさんあるので、また折を見て情報を追加していきたいと思っています。

 

2018年〜2019年も楽しいオペラ鑑賞をしたいですね。

2019〜2020のオペラ公演情報はこちらをどうぞ

オペラの楽しみ方初級編・中級編・上級編

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